詩集 季節のなかの小さな物語
神和(しんわ)
1.虹色の音
七色の光が空に架かり
子供の手が鍵盤に触れる
虹のように広がる音色が
部屋いっぱいに散らばっていく
白い鍵盤は光の橋
黒い鍵盤は影の道
指が踊るたびに
虹のアーチが音に乗って弾む
低い音が雲を呼び
高い音が太陽を呼び戻す
旋律は色を変えながら
空に新たな虹を描いていく
ひとしきり音が消えたあと
小さな手は静かに休憩
余韻は残り
淡い虹の光が優しく揺れる
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