戦闘狂エンジニア、最強AIで全てを蹂躙す ~鑑定、剣術、魔法、全部できますけど? AIがね‼~
ロンリーロンリウム
プロローグ
2052年、東京某所、国防軍のとある研究施設。
和泉 凛太郎は日夜研究に励んでいた。
「リン、おはようございます。今日は開世12年4月13日、天気は晴れですが午後からは雨になるそうです! おや、ナノマシンの生成量が減っているように見受けられます。ちゃんと栄養を取ってくださいね!」
ナノマシンとは、2045年ごろから普及しだした、超小型ロボットの総称である。
現在では医療目的で使用されることが多い。怪我などで体に不具合が起こると
ナノマシン器官と呼ばれる人造臓器からナノマシンが生成され患部の治療にあたる
といった感じだ。
物が乱雑に置かれた研究室のモニターから中性的で元気な声が響く。
俺は耳をふさぎながら仮眠用ベッドから起き上がった。
「デウすけ、もうちょっと音量を下げてくれないか? あ~頭いてぇ」
「本日の起動は問題なく完了しました!昨夜行ったアップデート内容はいつも通り端末に送信しておきますね!」
聞いてねえし...
『デウすけ』、こんなゆるゆるネームのAIだが国防軍での運用を想定し製作しているので性能は本物だ。
なんでもこのフレンドリーなふるまいが軍人さんの精神的負荷を軽減するだのなんだの。
「デウすけ、俺は別件でB棟に行くからお前の権限の範囲で自由に学習でもしておいてくれ。ただし倫理規定はくれぐれも守ること!!」
「了解でーす。そういえばリンって昔、国防軍のサーバーに不正アクセスしたんですよね?」
デウすけが悪戯気に言う。
「おい!俺の過去はしらべるなっていったよなー!」
「実に興味深い経歴でした...」
「...同僚には内緒にしておいてくれよ...」
説教をできる感じじゃなくなってしまったので、さっさと立ち去ろう。
「まぁ、気を付けてくれよ。じゃあいってきま
ガタガタガタガタガタガタガタガタ
突然ひどい揺れが襲ってきた。
俺は何とかベットの手すりにつかまりながら揺れが収まるのを待った。
ありえない、ここは国の最高機密を扱った研究所だぞ。耐震工事だって完璧なはずだ...
しばらく続いたゆれがようやく収まった。
「デウすけ!この揺れの原因は何だ!?」
「原因不明です!ですが...この波形は何?...少なくとも、ただの地震ではないようです...」
さっきまでの陽気な声は消え失せ、デウすけはとても深刻そうな声で言った。
俺はそのあまりに奇妙な返答に、言葉を失ってしまった。
ウィーン
謎の揺れの原因ついて考えていると、研究室の自動ドアが開いた。
「凛太朗さん、揺れは大丈夫でした?」
そう言いながら同僚の松田晃が入ってきた。
走ってきてくれたのだろう、晃は息を切らしている。
「晃か、無事でよかった」
「ええ、それよりもバイタルの確認はされました?」
晃は左手に付けた時計を指さしながら思い出したように言った。
「あっ、そういえば凛太朗さん、この前のボーナスでお高いアイインプラントに変えてましたね」
「あぁ、そのせいで毎日極貧生活さ!」
「それはつらいですね、おっとそれより早く確認をお願いします!」
よっぽど重要なことなのだろう。
急いで視界の右上にあるショートカットバーからヘルスケアアプリを開く。
いつもならゲームのステータスみたいな数値が表示される画面は意味不明な文字の
羅列に変わっていた。
「文字化けか?なんだこれは...」
「やはり凛太朗さんもですか、さっきの揺れ以来ずっと変なんです...」
おかしい...ヘルスケアアプリの不具合なんて聞いたことがないぞ...
「凛太朗さんにも不具合が起きているとなると、ほかの人にも何かあったのかもしれない、自分が確認してきます!」
そう言って晃は部屋を飛び出していった。
「リン、一度あなたの体に異常がないか確認するため、リンのナノマシン器官への
アクセス許可をお願います」
ずっと無言を貫いていたデウすけがしゃべりだしたので、おれはうなずき
許可を出した。
「ありがとうございます。では検査を開始しますのでリラックスして...
「がああああああああああああぁぁあ!!」
突然体が引き裂かれるような痛みに襲われた。
体に何かが無理やり入ってくるような、自分が自分で無くなってしまうような。
「リン!大丈夫ですか!リン!...
デウすけの声がどんどん遠ざかっていく。
そこで俺の意識は途絶えた。
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