岸亜里沙

道端に、無造作に置かれた、40cm四方の箱。


蝿が群がるその箱の側面には、赤い液体。


(その箱の中身を、見てはいけない)


私の直感がそう叫ぶ。


(ダメだ。見ちゃダメだ)


脳内で、何度も繰り返す。


開けなくても、箱の中身は、なんとなく分かる。


このまま警察に通報するべき。


だけど、もしかしたら、間違いかも。


だから確認しないと。


(後悔するから、やめて)


一歩ずつ、私はその箱に近づく。


完全に、怖いもの見たさ。


(本当に、見ちゃダメ!!)


・・・・・・・・・・・・・・・。


「きゃあっ!!!」


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岸亜里沙 @kishiarisa

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