私と飛鳥市の中の余白~エクメーネ~
はすみらいと
あらすじ【45回横溝正史ミステリ&ホラー大賞用】
奈良県飛鳥市に住む私こと桜井優花は怪異に因んだ体験談を収集していた、そこに飛鳥市に関するものが多いことに奇妙な価値観を見出だし、飛鳥市に限定した怪異に関する体験談や奇妙な体験談を集め続け、類似性に疑問を覚えていた。
彼女にはひとつの確信のような考えが頭に合った。隙間や余白には怪異が蠢いているんじゃないかということを。
幽霊団地で三人で肝試しをしたハルキという男子高校生の話、彼は周りに不幸が続いているから祟りや呪いなのだと語る。
ある男性は神隠しにあって弟が世界から消え両親のふりをした男女に耐えきれず飛鳥市を出たのだと語る。
彼女はただ集めそして推測をたてた。
一定数の話を集めた所で、自室で頭痛と視線を感じ出すようになりおく屋敷には誰も死んで居ないのに絶えず怪現象が住む人に襲われ誰も住まないらしい。と聞いていた知り合いの不動産屋のお爺さんの協力を得た彼女は足を踏み入れたが得られる情報が特になかったが近い場所に丘のようになった場所に子鬼伝承に由来する子鬼の墓があることを聞き同行するも墓はすでに廃れ見当たらず伝承について彼からおおよその内容を聞いて集めた話と関係があるのではと推測をする。
その日彼女はシャワーを浴びようとして記憶が途切れた
翌日彼女の元に親友が訪ねてくる。視線、金縛り、気配が桜井の身に起きる。
その翌日親友から渡された日記には飛鳥市に民宿鹿宿に訪れた中学生の体験が記されており、その男性が行方不明になっているらしいと聞く。
視線と影を再び感じゾッとする。
翌日の彼女は不調で親友は帰宅、今までで最も強い怪現象に彼女は命の危機を覚える、部屋を飛び出し勢い余って転落しかけ同じマンションの住人高野さんによって助けられる。
駅前のネットカフェに避難し、朝店を出て近くのカフェに向かっている彼女の前に再び高野が現れおいでさん、おいでさま、おでぐら(さん)さまについての話と子鬼の墓と思慕の墓についての話を聞かされ彼女はマンションに戻る。
翌日以降彼女は精神的に不安定になり親友が来ると行って電話を聞いて拍車がかかり壁を殴り頭を打ち付け倒れ目が覚めたのは翌日で不調と不安定な心の状態で鼻血と激しい痛みで気絶し目覚め今度は怪異が自分にのみ見える状況に不安定になっていた彼女は目を突き刺し失明しようとして高野の手によって妨害され失敗する。
悪夢から目覚めた彼女と高野が解決方法を模索するが親友の意見が真っ向からぶつかり桜井優花は再び孤独に陥る。服をめくった彼女のお腹にはミミズか何かが這ったようなアザを見て解決することも思考をも放棄。
駅前で1人時間を潰し哀愁を感じつつ帰宅し就寝。
翌日蝉の音により目を覚ます。
微睡みの中で彼女は飛鳥市の記憶に触れ集めた体験談の真相に気づく。
目を覚ますと寝ている間に彼女は数日も眠っていたことに気づく。
そして彼女は見え方が今までとまるで違ったことに気づいて、誰かに呼ばれる感覚を覚えた。
ある家に住む怪現象に悩む家族の夫が藁にもすがる思いで相談した人を駅前のカフェで待ってい
た。
現れたのは気絶外れの長袖に身を包んだ若い女性で、長袖の下に隠れたミミズか何かが這ったようなアザが無数にある手首を彼は見てしまって後悔する。
話によると怪異と呼ばれる者を感知することができるがお祓いはできないらしい。と前もって聞いた通りのことを言われる。
圧を感じ書類へサインする。
1人暮らししているその人は自宅に幽霊が出るらしい。
先に着いていた相手は若い男性と車いすに座った女性。
男性は高野と名乗り、あくまで伝達することが仕事らしい。高野の説明によると車いすの女性が担当してくれるようだ。女性は立ち上がると桜井優花ですと名乗った。
書類へサインし、立ち上がりいつの間にか静かになっていた女性の横を通ると彼女は眠っているように見えた。腕が袖から出ていて何かがのたくった無数の傷とアザが見え。
視線に気づいた男性がいつものことですからというのを聞くと逃げるようにその場を去った。
飛鳥市に起きた彼女に集められた出来事は見える類いの誰かの無作為(愉快的犯行)な呪い、その誰かもすでに怪異へと変わり果て輪郭が失われたこと、すでにいもしない者に引き起こされ巻き込まれただけに過ぎないと。すでに満たされても尚止まる術もない呪い。本人はもう過去の産物なのだから。彼女は、桜井優花は知っている
なぜなら桜井優花は飛鳥市の記憶を触れることができるから。彼女は怪異への標、人の標。
桜井優花はすでに人ではないが、神でもない、怪異に近づき何者にもなれなかった者の成れの果て。飛鳥市と混ざりあった不確かな存在。飛鳥市のことなら過去すら見れる、人や怪異の記憶もすべて。
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