尾張《おわり》の大うつけ5

 甲賀とは謎が多いが、唯一あるとすれば忍びの国であり謎だけがあるだけだ。

 (カラカラカラ、カラカラカラ、ギャー、ギャー、ウッキー、カラカラカラ)山奥のさらに奥に忍びの里さとがある。

 一年に一度、定例会があった。

 ただ基本は分身が行くはずだった。

 それは、姿形から暗殺をして下さいと言う者だからだ。

 実際、百地丹波ももちたんばと加藤段蔵かとうだんぞうと杉谷善住坊すぎたにぜんじゅうぼうと唐沢玄蕃からさわげんばが既に分身で到着済み。

 「待たせな」果心居士は答える。

 「本体は珍しいな」加藤段蔵は忍びらしい忍びだった。

 「望月千代女もちづきちよじょはまだ来てないらしいな。風魔小太郎ふうまこたろうはいつものことだ。じゃあ始めるぞ、今回はこの百地丹波で行く。今日の議題は天下人はどれが取るかだ」百地丹波は角張頭だが骨格だけで筋肉をはち切ればかりだ。

 「加藤段蔵はどごが天下人を取ると思う?」百地丹波が振ると

 「そうだな。上杉謙信うえすぎけんしんか武田信玄たけだしんげんだな!」加藤段蔵は答える。

 「杉谷善住坊はどうだ?」百地丹波は聞く。

 「そうだな。大坂本願寺おおさかほんがんじかな」坊主頭の見た感じ僧侶の杉谷善住坊すぎたにぜんじゅうぼうは睨んだ。

 「わしは信長、日吉丸・・・あぁ藤吉郎だったかな?わしはこやつに決まった」果心居士はみんなが予想だにしなかったことを言う。

 そして、忍び同士「どの大名だ?」っとなっていたが

 「大名じゃない」果心居士はみんなの顔を見比べいた。

 「お前、大名じゃないのか?」杉谷善住坊は失笑ったが

 「なにが笑しい?大名以外はダメなのか?」果心居士はなぜだと。

 「おかしい訳ではないが」百地丹波は言ったが「知ってるよ、何でも忍びらしいじゃない?」甘い香りをした望月千代女は現れた。

 「なんでも織田信長についてるとか?」望月千代女は持ち前の情報戦を見せ付けてきた。

 「情報戦は望月千代女の得意だもんね〜」ボサボサ頭の風魔小太郎は分身で答える。

 「風魔小太郎はもちろん」百地丹波は聞くと「もちろん北条氏政ほうじょううじまさ」風魔小太郎は当然と言うぐらいに答える。

 「わしは六角家」百地丹波は答えた。

 「わしは武田軍だな!」そう答えるのは杉谷善住坊似の背が高い男の唐沢玄蕃が答える。

 「私は松平家かなぁ」望月千代女は優しく答えた。

 「で、果心居士が本体で来るという事はどういう風回しだ?」百地丹波は聞く。

 みんな果心居士を注目して

 「あぁ。一度停戦を解こうかと思ってな、そのお礼だ」果心居士は首を(ポキッ)と鳴らして言う。すると周りが静かに、とても気味が悪い感じをした。

 「なるほど、じゃあ今日からは敵同士だな?」百地丹波は暗い声で言ってきた。

 「もともと停戦あってないみたいなもんだから。ねぇ、そうでしょ?望月千代女⁈」風魔小太郎は問う。

 「あら、調べてるだけよ?唐沢玄蕃は加藤段蔵の方が怪しいそうだよ?」望月千代女は聞き、唐沢玄蕃は加藤段蔵は睨んだ。

 「まぁ、ぼちぼち絞れてきたしわ」杉谷善住坊はニヤリと微笑する。

 「じゃあ丑三つ時に開始でどうかな?」百地丹波は聞くと  「異議なし」全員一致。

 なんで異議なしかって言うと足利政権になってから忍びでは忍び同士は争わない。

 表では。

 会議が終わると果心居士は分身ぶんしんが消えると(ザッ)何者かに一斉に囲まれた。

 「はぁ〜。丑三つ時じゃなかったのか?」果心居士は聞くと一斉に剣を刺してきたが(ドスッ、ドスッ)互いの剣で刺さり「バカか?本体で行く訳ないだろ?ハハハハ!」果心居士は烏に化けて逃げていく。

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