僕とウミガメ

青甘(あおあま)

第1話

まだ日も昇らない早朝。


 僕は海に来ていた。誰もいない静かな砂浜でその時を今か今かと待っている。



 それは唐突に訪れた、少し沈んだ砂浜が少しずつ盛り上がってきた。そしてそこからウミガメが顔を出す。

一匹、また一匹数匹のウミガメがうまれたようだ。


 僕はその光景に目を奪われた。


 様子を見守っていると、ウミガメたちはゆっくりとペタペタと海へと進んでいく。生まれてすぐに海を目指す。



 その動きはとても遅く、見ていて助けてあげたくなるが、じっと応援しつつ見守る。


 道中には木やゴミも所々あるが彼らはそれらをかわしながら徐々に海へと近づいていく。



がんばれ、あともう少し



 太陽も昇り始め、海がキラキラと反射し始める。そしてついに先頭のウミガメが海にへと入った。

 


 波に流されるようにその身を任せている。

一匹がたどり着くとゆっくりと他のウミガメたちをたどり着き始めた。


 日も昇り、砂浜も少し暖かい。




 気がつくと、ウミガメは最後の一匹となっていた。


ペタンペタンと上手に足を動かす。


そしてついに最後の一匹も海に辿り着いた。



僕はこの光景を一生忘れない

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僕とウミガメ 青甘(あおあま) @seiama

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