【あらすじ動画あり】6話(4)【和風妖怪ファンタジー】

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【あらすじ動画】

◆忙しい方のためのショート版(1分)

https://youtu.be/AE5HQr2mx94


◆完全版(3分)

https://youtu.be/dJ6__uR1REU

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「偽装? 紅団を、隠すための?」


辰政の言葉に銀次は引っかかるものを覚えた。

丁度その時、キャーキャーという子どもの歓声が奥山に響いた。


何かと思って見ると、公園の中央で西洋魔術の見世物がやっていた。燕尾服にシルクハット、黒のマントを着た青年が子どもたちに囲まれ、次々と魔術を披露していく。

ステッキが花に変わり、花が鳩に変わる。


何気なく見ていた銀次の頭に、何かがひらめきそうになった。

しかしそれは、再び上がった子どもの声にかき消されてしまう。


歓声の中、魔術師が恭しくお辞儀をする。

「皆さん、温かい声援ありがとう。泣いても笑っても次が最後。集まってくれた皆様へのお礼に、これより大魔術をお見せしましょう!」


魔術師が手で示したのは、人が一人入りそうな箱だった。

「今から私はこの箱の中に入ります。皆さん、私が箱に入ったらすぐに鍵を掛けて下さい。厳重に、逃げられないようにね。それから十数えて。終わったら鍵を外し、中を開けてみて下さい。もしそこに私がいれば木戸銭は全てお返ししましょう。しかしもし無事に脱出することが出来れば、盛大な拍手を。では!」


ひらりとマントを翻して魔術師は箱の中へ入ってしまった。子どもたちはキャッキャッいいながら箱に鍵をかけ、鎖でグルグル巻きにする。

「いーち、にー、さーんー」


魔術師とともに子どもたちが数をかぞえる。

「十! よし開けるぞっ!」


子どもたちが一斉に鎖と鍵を外し始めた。そして待ちきれない様子で扉を開ける。

「え! 何で!?」


誰もいない箱の中を見て、子どもたちがざわざわとざわめき出す。

中には、誰もいなかった。


「あ、あそこっ!」

小僧姿の少年が、すぐ先の境内(けいだい)を指さした。

そこには赤い観音堂を背後に、シルクハットを手に持った魔術師が立っていた。


「あっ!」

銀次は、その顔を見て声を上げた。

燕尾服を着た魔術師は、今回の探しモノの依頼をしてきた男装の麗人にそっくりだったのだ。


(何でこんなところに!?)

だがそれよりも気になったのは、その目だった。

何も写していない人形のようなガラス玉の目。以前、どこかで見たことのある——


その時、魔術師がサッと動いた。

彼は初めから銀次に気づいていたようにお辞儀をすると、ひらりと身を翻し観音堂の境内へと消えてしまった。

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