俺は迷宮の宝箱《ミミック》に、私は異世界のナレーターになりました…。~迷宮攻略のため、箱(迷宮)入り娘を指導する!~

闇夜

第1章 転生して迷宮に迷い込む。

プロローグ

(ここは…どこだ?)


 1人の少年が目を覚ます。


(…?)


 いや、少年というより少年だったものか…。


(…おい。)


 いや、少年というより青年…中年だった?うーん、どっちがしっくり来るかな~。


(おい!)


 なによ!人が解説している時に邪魔しないでよ!


(俺は中年じゃねえ。ピッチピチの男子大学生だ!)


 しかも突っ込むところそこじゃないでしょ!解説?なんのことだ?とかここはどこでお前は誰だ?とかいうでしょ普通…。


(いや、重要だ!俺は大学生でイケメンだ!)


 …なに変なの付け加えてるのよ!あんた、それ自分で言って傷つかない?

 そんなんだから一生童◯なのよ!


(おい、その言葉こそいらねぇだろうが!そういう余計なことが言えるってことはお前、おとだろ?)


 えぇ、その乱暴な口調は相変わらずね、そら。いや正確にはさっき説明したみたいにだったものなのよ…。


(さっきから解説だの、だったものだの何わけわかんねえこと言ってんだよ…。というかさっきから声が出ねぇし、体も動かねぇんだがどうなってんだ?なんでお前は喋れねぇ俺の言葉を理解できてんだよ?)


 説明するより見てもらった方が早いかもね…。私の視覚を今から共有するから。


(あっ?共有って…おぉ、視界がはっきりしてきたぞ。)


 ねぇ、目の前に木でできていて鍵穴のあるまるでドラ◯エに出てくる宝箱ようなものがあるでしょう?


(おう、あるな。…それがどうした?)


 あれ…空よ。


(…は?)


 だからあの宝箱が空なんだって。正確に言ったらミミックっていう魔物だけど…。


(…。いやそんなわけ…)


 ほら、今空、必死に体動かそうとしているでしょ。宝箱もガタガタ揺れてるわ。


(なっ!)


 私と空は事故に巻き込まれた。そして私はなぜかこの世界のナレーターになって…


(なっ、なっ)


 空は迷宮のミミックに転生してしまったの。


(なんじゃあ、こりゃあ!)


 ……某刑事ドラマのセリフ言わないでよ。古くない?まぁとりあえず事の発端を説明しないとね…。

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