青春フォトグラフ

花梨

プロローグ

 小さなころからカメラが身近にあって、大好きで、ずっと撮影していた。

 家族の写真を撮ってよろこばれるのがうれしくて。

 むかしは、コンデジと呼ばれるコンパクトデジタルカメラ、今はスマホや一眼レフカメラを使って、いろいろ撮影している。

 でも……。

「写真館の娘なのに、写真ヘタだよね」

 娘じゃなくて、イトコです。

幸穂ゆきほちゃん、これぜんぜん映えてないよ」

 ごめん映えなくて。映え写真は私よりみんなのほうがじょうずだよ。

 中学に入って、みんながじょうずな写真を撮るようになって。私の写真は、ずいぶん下手だって思い知らされた。

 好きなものを、ヘタって言われて。写真を映えてるか映えてないかで判断されて。

 大好きなカメラを手に取ることが、なくなってしまったんだ。

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