第4話 転校生と学園のアイドル
「これを着なさい。学校いくわよ」
「え?俺がなんで学校に?」
「人間の体を手に入れた分、人間らしく生きてもらうわよ。それに、私が学校に行ってる間アンタを一人家においとけないのよ」
ふーん、なんだかんだ俺のこと心配してるんだなぁ。
「でもさ、転入手続きみたいなのしてないよ?」
「もう済ませてるわ。だから早く支度しなさい」
「へいへい…」
な んで今になって高校なんて行かないといけないんだ…。制服に着替えた俺は、幽香ちゃんに引っ張られるようにして学校に連れて行かれた。
・ ・ ・
「私は教室に行ってるから、アンタは職員室に行きなさい」
「はいはーい」
幽香ちゃんと校舎内まで一緒に来たあと、二つ返事でそう答えたのだが、職員室の場所が分からない。しかし、今の時間帯は生徒たちが校舎に入ってくるピークだったため、丁度よかった。んーっと、この中で可愛い子は……。
「きみだ!」
大人しそうな見た目をしたショートカットの女の子!ちなみに胸も大きい!
「えっ、えっと、どうかしましたか……?」
「いやぁ、俺転校生でさ、職員室の場所が分からなくて…」
「それなら私が案内しますよ」
「ほんとにいいの⁉︎」
その返事を予想してたよ!きみみたいな子は人の頼み事を断れないタイプだからね!
幽香ちゃんも行っちゃったし仕方ないよね!
「こっちです」
女の子に連れられて、職員室に向かう道中、なぜか周りからの注目の的になっている気がした。これはモテ期の予感⁉︎
長い廊下を歩き、職員室に入ると、教師全員がこちらを向いてきた。そのうちの一人の若い女性こちらにやってきて、俺の顔を見る。
「…なんすか」
「きみが
「よ、よろしくお願いします…」
まさかこの子が学園のアイドルだったなんて。なかなか運が良い気もするけど、今は幽香ちゃん一筋なんだなぁ。それで一緒に歩いてる時の周りからの視線が凄かったのか。
「それじゃあ、私は教室に行きますね」
「ありがとね〜」
用の済んだ学園のアイドルがそう言って職員室を出て行った。
「彼女、良いだろう?」
「はい、最高です」
「即答か…。いいよ、教室に行くからついて来なさい」
これから俺の高校生活が始まるのか…いったいどうなるのか…。
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