第29話 わたくしのお願いを聞いて欲しいな
栗島勇side
(やっぱりありあちゃんは一番苦手だな)
「わたくしは大好きだよ。ゆうちゃん」
勇の考えていることにあわせて
「ゆうちゃんは基本わたくしたちに会いたくなくて逃げるからね」
「!」
「ゆうちゃん、別にとって食べたりしないから大丈夫だよ」
「……」
「ゆうちゃんはわたくしから行かないと会えないからね」
笑顔で勇の瞳をして話をする。
「安心して、ゆうちゃんのやることは邪魔しないから大丈夫だよ」
「……」
勇は無言で身構える。
「栗島家は放任主義だから別にゆうちゃんを縛らないから大丈夫だよ」
「……(ありあちゃんは僕に会うために目的があって来たんだよね)」
「別に目的はないよ」
(嘘だ)
「嘘だ、と思ってるみたいだけど」
「!?」
「わたくしはただ、ゆうちゃんに会いたかっただけだよ」
「……」
勇は無表情で
「何年ぶりかに会ったゆうちゃんは本当に美味しそうに育って嬉しいな」
「!?」
「さてさて、ゆうちゃん」
「……」
「2時間後にはわたくしたちは家からしばらく離れるから帰って来て大丈夫だよ」
「……?」
「勇ちゃんは大好きな、大好きな、まりあちゃんとのんびり暮らして引きこもりたいんでしょ」
「……」
勇は無言で
「別にゆうちゃんの生活に関しては邪魔はしないから安心して大丈夫だよ」
「……」
勇は
「……(ありがとう)」
優しい笑顔で勇に目を向ける。
「ただ、ゆうちゃんには一つだけ大事なお願いをしたいかな」
「……」
勇も真剣な表情で
「まりあちゃんを守って頂戴」
「……」
勇はすぐに頷いた。
「あ、間違えた」
「?」
「母命令です」
「!?」
勇は言葉の重さを感じて緊張して体が固まる。
「命をかけてまりあちゃんを守りなさい」
母は重圧のある言葉を言う。
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