「小休止」パート1特攻兵器【伏龍】

館華カオル

第1話 パート1 特攻兵器【伏龍】

「伏龍」という特攻兵器がある。バケツ大の機雷を竹ざおの先につけ、海底で待ち構えていて、敵艦が頭上を通過するときに船底めがけて、「えいや」と、つきつける。

浮力にあらがうため、総重量68kgの潜水具。足には鉛製の「わらじ」、背中には2本の酸素ボンベ。

3、4回呼吸した時点で炭酸ガス中毒になる。潜水時間をより長くするため、清浄缶と呼ばれる、箱を装着していた。中身は吐いた息から炭酸ガスを除去するために苛性ソーダが入っていた。箱が破損し、溶けた苛性ソーダを吸い込み死亡。攻撃が成功しても失敗しても生命はない。実戦に使われる前に終戦。だが訓練や空襲で訓練生や教官が多数犠牲になっている。

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