あの夏に追われて。

ちキ

プロローグ

高校の夏、交通事故に遭って隣のクラスの女の子が亡くなった。まだ彼女は16歳で若かった。


彼女はいつもぼくに微笑みかけている、


あの日もそうだった彼女は僕をつき飛ばして、真っ赤な自動車にひかれる前でさえ、ぼくに微笑みかけていた。


自動車の赤と君の赤がぐちゃぐちゃになって混ざり合う。


あれから10年が経ち僕は結婚をして久しぶりに地元に帰省した、


彼女に助けられた道路には枯れた花が置いてある

僕はそれを足で蹴散らし花屋へ足を運んだ。暑い日

だ、


帰り道、さっきの道路の近くに行くとなかったはずのひまわり畑があった。


仕方が無いのでひまわりの畑の前を通る、今は8月、蝉が耳をつんざくような声でなく、たくさんのひまわりがこちらを向いていた。


ひまわり畑の中にはベンチがあった


そこに座り学生服の君が僕を見ている。


僕は怖くなって反対方向に走って逃げた。

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