きみのため
@mtjapngjtgawj
第1話
2日前、ここで迎え火を焚いた。早く帰ってきて欲しくて、精霊馬も、バイクに改造しておいた。しかし、時間の流れは早いもので、あっという間に送り火を焚く日になってしまった。
彼の気配を感じることもあった盆が終わってしまう。
そしたら次に会えるのはいつになるのだろう、きっと、また来年になってしまう、
それがどうしても嫌で、送り火の準備をしながら、ボロボロと涙がこぼれた。何度も親に、変わると言われたが、これだけは譲れない、
送り火に火をつけた時、何処からか声が聞こえた。
「相変わらず泣き虫は治ってねぇのな。」
ふと目の前を見ると、元気な時の姿の三浦が立っていた。
「誰かさんのせいで、」
必死の抵抗で反抗するが、それも長くは続かなかった。
こぼれる涙を拭いながら目の前の彼と対峙する。
「また来年な。」
そう笑うと、彼は強く僕を抱きしめた。
ふと目を開けた時、そこには誰もいなかった。彼との思い出が走馬灯のように駆け巡る。
「お前が30まで旦那いなかったら貰ってやるよ。」
昔そんなことを言われたことを思い出した。
「うそつき、」
呟いた言葉は空気に解けて消えてしまった。
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