鳩羽郵便局
梳芽
始まり
日本の領域に含まれているが、憲法や法律は独自のものがある(銃刀などの利用が部分的に許可されていたり、島に入るには入門許可証が必要、など)という何ともご都合な創作島が舞台のお話です!島名は鳩羽島。
それをどうか念頭においてお楽しみください…!
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あの事件が起きてから五年が経った。
周りや警察はずっと、「あれは不慮の事故だ」と言い続けているけれど、自分はそれを信じていない。
真相を知りたい。
その思いでここまでやっとたどり着いたんだ。
諦めたくない。
いつか、絶対に─────
「
そう言って
「少ないな。これで全体か?」
年を重ねるごとに減っていく新入社員の数に浅葱は思わずため息を吐きそうになったが、すんでのところで飲み込んだ。
「そ。まぁ、最近は物騒なことが多いご時世だから、わざわざこの仕事に就こうなんて思う立派な人はいないっしょ。しゃーなしよ。…んで、上記2名がうちの班に入ってくるそのご立派な方々ね」
言葉だけでは足りないと思ったのか、指差しで教えようと葦葉が紙を覗き込んだ。
が、その前に浅葱が素早く左上を指し示した。
その示した部分には、懐かしく、かつ、あまり触れたくない名前が書かれていた。
「おい、この名字…」
思わず浅葱が固まる。
口に出さずとも、両者の中ではそれについての共通認識がある。
しかし葦葉は飄々と言う。
「いや、たまたまでしょ。だってあいつの兄弟って確か妹2人だろ?この人、どう見たって男じゃん」
新入生名簿にプリントされている、氏名の横の写真には、少しぎこちない笑みを浮かべた少年が写っている。
「そうだな。いくら何でも、名前で決めつけるのは先走りすぎた。悪い」
少し冷静になろうと椅子から立ち上がったその時、
玄関のチャイムが鳴った。
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