3軍男子の俺だけが隣の席の3軍女子が学校一可愛いことを知っている

たからよもぎ

第1話 プロローグ

俺、小野山浩介(おのやまこうすけ)はどこにでもいる高校2年生だ。

別に勉強ができるわけでもなく、スポーツが得意なわけでもない。普通をこよなく愛する普通の人間だ。

たとえ、3軍男子と言われようと構わない。そんなこと既に自覚している。

おそらく、これからも普通の人生を歩んでいくだろう。

そんなのつまらないと言う人もいるかもしれない。だけど、俺にとってはそんななんでもない普通が心地いいのだ。


と、まぁそんな生き方だから彼女なんてできるわけもなく、青春とは程遠い学園生活

を送っている。



夏休みが明け、学生の小さなイベントの一つとなっている席替えが行われていた。

席替えとは言っても、後ろの席になればそれでいい。別に誰とも仲良くなれないのだから。


ちなみに、席を決める方法はよくあるくじ引きだ。

番号が書かれた割り箸を引き、黒板に書いてある数字と同じ席になるという完全な運ゲーである。くじ引きなどやっている手前ひとつ言っておくが、ここは高校である。


そんな事を考えていると先生に名前を呼ばれ(ちなみに呼ばれる順番は先生のランダムである)、教卓に置かれている先生お手製のくじ箱へと歩み寄る。


狙いは一番後ろの窓際の席。番号は『14』だ。

意を決して、割り箸のうち1本を手に取った。


そこに書かれていた数字は、

  『27』だった。


すぐに黒板に目をやると、一番後ろの窓際から2番目の席だった。

先生に割り箸を渡し、俺は心のなかで思いっきりガッツポーズをしつつ、今の席に戻り椅子を引いて腰を下ろした。


しばらく喜びに浸っていると、前の教卓から嘆きに似た歓声が聞こえてきた。

反射的に教卓に目をやると、前でオドオドしている少女がいた。

右手には割り箸が握りしめられている。


彼女の名前は、藤崎美玲(ふじさきみれい)。

いつもメガネを掛けており、目元まで伸ばされた前髪で目はほとんど隠れている。

彼女は、俺と同じいわゆる3軍に分類されるあまり目立たない存在だ。

そんな彼女がなぜ教卓の前で歓声を浴びているのだろうか。


疑問に思っていると、先生が黒板に彼女の名前を書いた。

番号は『14』、俺の隣の席だ。

なるほど、さっき歓声が上がったのはそういうことか。

まぁ、隣の席になったからと言って何かあるわけでもないが。


しばらくして全員がくじを引き終わり、おのおのが決まった席に移動すると、5分間のふれあいの時間が設けられた。

何度も言うようだが、ここは高校である。

「この5分間は何を話してもいいぞ。それじゃあ始め!」

先生が威勢よく掛け声をかけると、教室内が一気ににぎやかになった。


俺は、藤崎に顔を向けて

「よろしくね、藤崎さん」

とだけ声をかけると、いつも通りオドオドしながらも

「あ、えっと…よろしくお願いします」

と返してくれた。

そのときはそれ以上会話をすることもなく、5分間が過ぎた。


それからしばらくは、互いに目立たず、互いに干渉しない。

そんな日々が続いていた。


その日もそんな日常を終え、いつも通り放課後になり、いつもの帰路についていた。

家に到着し、学校の指定となっている紺色のリュックから鍵を取り出そうとした。


しかし、リュックから鍵は出てこなかった。

「おい、うそだろ。まさか学校か?」


どちらにしてもこのままでは家に入ることができない。

それに、自宅から高校まで10分かからないぐらいの距離だ。

俺は探すのを諦め、学校に向かうことにした。


学校につくと、靴箱で靴を脱ぎ捨て、靴下で階段を駆け上がった。

幸い教室には誰かがいるらしく、前のドアが空いていた。


呼吸を落ち着け、ドアから教室に入ると


そこには、今までの人生で一度も見たことがないほど可愛い人がいた。






あとがき


こんにちは!あるいは、こんばんは!

作者のたからよもぎです

こんなにも未熟で下手な話を読んで頂きありがとうございます!

まじで感謝しかないです(:_;)

よければ応援とコメントしてくれたらうれしいです!

第2話も随時、公開予定です。

良ければ見てください!それではまた!

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