満月の夜 〜癒やし〜



○鬼の国にある、巫女が住む和風な家・居間(夜)

    寒い季節。鬼姫琴奈と聞き手が囲炉裏を眺めている。

    聞き手の右側に琴奈が足を崩して座っているため、⑦スタート。

   (SE:囲炉裏の火の音)

   (SE:琴奈の聞き手に近付く音・衣擦れ音など)


⑦「……お主は、拒むと申すのか?

  ワラワのご褒美を」


   (SE:聞き手が逃げようとする音)

    琴奈が正面から聞き手を押し倒すため、⑦から①。

   (SE:琴奈が聞き手を押し倒す音)


①「逃げられると思うでないぞ?

  お主はやりたいことを成し遂げた。

  そして、ワラワは約束したはずじゃ。

  やり遂げた時、お主の望みを何でも1つ叶えると。

  鬼の巫女として、約束を違えるわけにはいかぬのじゃ」


   (SE:琴奈が聞き手に顔を寄せる音)


①「さぁ、言うがいい。お主の望みはなんじゃ?」


   (SE:囲炉裏の火の音)

    琴奈と聞き手の間に静寂が流れる。

    しばらく囲炉裏の火の音を流した後、聞き手が話し始める。

    聞き手:……膝、枕。


①「ん?」


    聞き手:膝枕、してほしい。


①「……ふふ。なんじゃ、膝枕だけでよいのか?

  それだけではお主の頑張りを労うことはできぬぞ?」


    聞き手:それだけで十分。


①「まったく。お主というやつは……」


   (SE:琴奈が聞き手の上から退く音・衣擦れ音)

   (SE:聞き手が起き上がる音)

    位置関係は変わらないため、①のまま。


①「そういうと思っておったわ。

  お主、年をとっても変わらぬなぁ。

  数年前にも同じようなことを言っておったぞ?

  まぁーそのおかげで準備が無駄にぬらずに済んだのじゃが……」


   (SE:琴奈がオイルの入った桶を脇に移動させる音)

   (SE:琴奈の膝上を手で叩く音)


①「ん」


    聞き手:本当に?


①「ワラワは何度も言わぬぞ。人の子よ。

  さぁ、遠慮せず、ワラワの膝に乗るがよい」


   (SE:聞き手が琴奈の膝上に頭を乗せる音)

   (SE:琴奈が聞き手の頭を撫でる音)

    左耳を上にして聞き手が寝るため、①から③。


③「よしよし。いい子じゃ」


   (SE:琴奈が聞き手の耳に近付く音)

    琴奈が聞き手の耳元で囁く。


③「今日はお主がとけてしまうほど癒やしてあげるゆえ。

  思う存分、癒やされてゆくのじゃぞ?」


   (SE:琴奈が耳元から離れる音)


③「それじゃ、始めようかの。

  では仰向けになってくれるかのー?」


   (SE:聞き手が顔を上に向ける身動き音)

    聞き手が顔を上に向けるため、①、③、⑦を交互に。

   (ここから台詞よりもASMRの音メイン・全て囁き声)※開始


①「今日は寒かったであろう?

  まずは耳を温めてあげるのじゃ。お主も好きであろう?」


   (SE:聞き手が頷く際の衣擦れ音)

    琴奈が聞き手の右耳に何回かお耳ふぅふぅ。


⑦「ふぅ……ふぅ……どうじゃ? 気持ちよかろう?

  ふぅ……ふぅ……ふぅ……」


   (SE:琴奈が聞き手の頭を撫でる音)


⑦「うむ。ジッとできて偉いのぉ。

  さすがワラワが見込んだ子じゃ。

  ……何じゃ、不服そうな顔をして。

  ワラワからしたらお主など、まだまだ子供じゃ。

  子供扱いされても仕方ないことであろう?

  じゃから、お主はただされるがまま、癒やされておればいいのじゃ。

  ……そうじゃ、そのようにお主はワラワに身を委ねるだけでよい。

  何も考えなくてよいのじゃ。何も……。

  では、次は左耳を温めてあげようかの」


    琴奈が聞き手の左耳に何回かお耳ふぅふぅ。


③「ふぅ……ふぅ……ふぅ……ふぅ……。

  ……ふぅ……ふぅ……だいぶ温まってきたかの」


   (SE:琴奈がオイルを手で混ざる音)

    琴奈がオイルを手に付けて、聞き手の耳をマッサージし始める。


①「そのままジッとしておるのじゃぞ?

  疲労回復を促す秘伝の油じゃ。

  お主に合うように調合したゆえ、きっと癒やされるであろう」


   (SE:聞き手の両耳にオイルを付ける音)

   (バックSE:聞き手の両耳をぐりぐりする音)※開始


⑦「痛くないかの?

  ……ふふ。大丈夫そうじゃな」


   (バックSE:聞き手の両耳をぐりぐりする音)※終了

    しばらくオイルで聞き手の耳をぐりぐりする。

    その後、ゆっくりと擦る形に移行する。

   (バックSE:聞き手の両耳をゆっくりと擦る音)※開始


③「どうじゃ? これも気持ちよいじゃろ?」


   (バックSE:聞き手の両耳をゆっくりと擦る音)※終了

    しばらくオイルで聞き手の耳をゆっくりと擦る。

    その後、オイルを追加。オイル音メインから囁き声メインへ。

   (SE:琴奈がオイルを手で取る音)

   (バックSE:再度聞き手の両耳をぐりぐりする音)開始


⑦「……ふふ、だらしない顔をしおって。

  それだけ気持ちよいということかの? ふーん。

 (至近距離)……エッチ」


   (SE:聞き手が身動きする音)


⑦「こら。動くでない。

  ……なんじゃ? 何か言いたげじゃな?

  エッチなのは事実であろう?

  それに身体が気持ちよくて気持ちよくて仕方ないのであろう?

  それだけワラワのあん摩に癒やされておるのじゃろ?

  今にも溶けちゃいそうな顔をしておるぞ?

  もっと素直になってよい。

  ワラワが全て許す。

  存分に溶かしてあげるゆえ。

 (至近距離)……何も考えられなくなっちゃえ♪」


   (バックSE:再度聞き手の両耳をぐりぐりする音)終了

    しばらく聞き手の両耳をぐりぐりする。

   (SE:オイルが垂れる音)


①「うわぁ。……もう。

  垂れないように気を付けておるのに。垂れてきちゃう……」


   (SE:聞き手の耳を軽くタオルで拭く音)

   (SE:琴奈がオイルを手で取る音)


①「……よし。では、再開しようかの」


   (バックSE:聞き手の両耳を擦る音)※開始


③「アハっ。どうじゃどうじゃ?

  こうやってやわやわと擦られるのは?

  気持ちよいかのぉ? 気持ちよいのじゃろ?」


   (バックSE:聞き手の両耳を擦る音・擦る速度アップ)※継続


③「……ふふ。知っておるぞ? お主、早いの好きなんじゃろ?

  さぁ、音に集中するのじゃ。

  脳みそまでドロッドロに溶かしてあげるゆえ、存分に楽しむがよい♪

  えいえい♬」


①「(至近距離)……ンフフ」


⑦「(至近距離)溶けておるな?」


③「(至近距離)遠慮するでない。そのまま身も心もワラワに委ねるがよい」


⑦「(至近距離)どっぷり浸かるのじゃ。ずっと。どこまでも」


③「(至近距離)ワラワだけのモノになっちゃえ♫」


   (バックSE:聞き手の両耳を擦る音)※終了

    しばらくオイルで聞き手の耳を擦る。


①「うむ。これくらいかの」


   (SE:琴奈がタオルで自分の手を拭う音)


①「まだジッとしておるのじゃぞ。

  ふわふわのタオルで拭いてあげるからの」


   (SE:聞き手の両耳をタオルで拭く音)

    しばらく琴奈が聞き手の耳を丁寧にタオルで拭く音を流す。


①「……よし。これでお終い……ん?

  ふふ。眠くなってしまったようじゃな」


③「よく頑張りました♡

  ゆっくりと眠るのじゃぞ?」


⑦「おやすみなのじゃ。人の子よ」


   (SE:囲炉裏の火の音)

    しばらく囲炉裏の火の音を流す。

    その後、聞き手が寝たテイで琴奈が囁く。

   (SE:琴奈が聞き手の顔に近付く音)


⑦「(至近距離)……好き。大好き」


③「(左耳にキス)チュ。……えへへ♪」※フェードアウト


   (ここまで台詞よりもASMRの音メイン・全て囁き声)※終了



《続く》

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