サキュバスシーシャ。

第3話：私のせい。

シーシャちゃんのことを母ちゃんに任せて、僕は警察から支給された

白いチャリで派出所まで急いで走った。

完全に遅刻・・・案の定先輩の五十嵐巡査部長に怒られた。

僕が悪いんだからしかたないけど・・・。

「おじさん・・・その人悪くないから・・・私のせいなの」

え？って声のした方を向くと、シーシャちゃんがいるじゃないかよ。

僕に向かって手なんか降って愛想ふりまいてるし・・・。

「なにしてんの？・・・え？どうやってここまで来たの？」

「フローティングデバイスってのを使えばすぐだよ」

「ん〜また分かんないワードが出てきたよ・・ふろ〜ひんぐなんちゃらって？」

「お家に帰ったら説明してあげる」

「おまえら、知り合いか？・・・派出所の前でノロケるのはやめろ」

五十嵐巡査部長は吐き捨てるように言った。

「私のせいでワタルさん、遅刻しちゃったんです」

「それを分かっていただこうと思いまして・・・」

「等々力が悪かろうが、あんたが悪かろうが遅刻したことには違いないからな」

「遅刻した原因？理由なんてどうでもいいんだよ」

「遅刻した事実だけがすべてなんだ」

「そんなことはありません・・・間違いや勘違いはちゃんと正さないと・・・

ワタルさんの今後の成績に関わります」

私のせいでワタルさんの人生に汚点を残すようなことがあったら私・・・・・」

「え？私、なに？」

「その先、考えてなかった」

「え〜まじで？一番核心的な部分なのに？」

「ワタルさんは黙ってて、私、そっちの偉そうなおじさんと話してるんだから」

「大袈裟なネエちゃんだな・・・等々力・・・おまえの彼女か？」

「いや違います、今のところは・・・」

「なんでもいいわ、一旦家に帰っていいから、この子連れて帰れ」

「すいません・・・ご迷惑かけます」

ってことで僕はシーシャちゃんを連れてまた家に帰ることにした。

帰る途中、彼女が言ったフローティングデバイスとやらの正体が分かった。

シーシャちゃんはポシェットからビー玉みたいな物を取り出すと

空中の放った。

そしたらビー玉みたいな物は一気に大きくなってシャボン玉のデカい

バージョンになった。

彼女はその中に入るとシャボン玉は宙を動き始めた。

で、僕のチャリに合わせて飛び始めた。

なるほど、これがフローティングデバイスとやらか・・・魔法と科学の融合

って言ってたよな。

ふ〜ん・・・どこまでも便利。

誰か人が見たら、驚くよな・・・まあ、さっきからいろんな人とすれ違ってる

けど・・・。

そんなことを考えてたらすぐに家についた。

つづくかもな。