20年以上ローリングストックして分かったこと

柴田 恭太朗

きっかけは親せきの家で見た大量の備蓄品

 最初に書いてしまいますが、資料性はそれほど高くならないハズ。

カクヨムの執筆キャンペーンに乗って何かを書き続けようと思って始めたエッセイです。


 たまに近況ノートで匂わせていますが、我が家は細々と災害対策として備蓄を続けております。

 備蓄をするようになったきっかけはいくつかあるのですが、最強なのはコレです。


■親戚の家で見た大量のカップラーメン


 親戚にお金持ちがいます。中堅どころの建設会社のオーナー社長で、なかなか面白い豪快なお大尽です。たまたま私がパソコンや電気製品に精通していたものですから、何か困ったことがあると自宅へ呼ばれてセッティングやら修理やらをしていたんですね。


 ある日、その社長がちょっと面白いもの見せてあげると言って、普段上がったことのない上層階(社長の自宅はビルになっていました)へ連れて行かれたんです。


 まあ、よくある金持ちの骨董品いわゆるお宝の披露だったわけですが、それ自体はねぇ、多少興味のある私でも「へぇそうなんですか、すごいです」なんてお世辞ワードもそのうち底をついてしまい、なんとも微妙な空気が流れ始めたんですわ。


 すると白けた空気を悟った社長は、壁一面の作り付けになった収納に歩み寄り、何枚もある扉をガラリと横開きに開けたんです。


「うわ、これはスゴイ!」

 それの様子を見た私は、思わずその日一番の感嘆の声を上げてしまいました。


 壁一面の収納の中身は整然と並べられたカップラーメンでした。それが天井近くまで積み上げられていましたから2メートルほど、それがゆうに横10メートルはある収納にビッシリと詰まっているのです。おそらく他の食品や飲料もあったのでしょうが、コンビニの商品棚よりもキレイに並んだカップラーメンは衝撃的な光景でした。


「こうして備蓄してるんだ」

 少し照れながら語る社長。

「これなら兵糧攻めにあっても当分は持ちますね」

 なんて戦国武将のような気分にさせてしまうお金持ちの備蓄はすごかったのです。


 当時ローリングストックなんて言葉はなかった時代ですが、私は食品の保存期間が気になりました。カップラーメンの賞味期限は半年程度であることを知っていたからです。


 それを問うと社長は、

「期限が近づいたら社員の夜食として放出するんだよ」

 と言って豪快に笑いました。


 なるほど、キチンとローリングストックしつつ、社員の愛社精神を向上するアイテムとして活用していたんですね。いたく感心しました。


 この親戚のような大量の備蓄は庶民には不可能としても、何か考えなければいけないと思うキッカケになった出来事でした。


 次回は「賞味期限切れに挑む」の予定。

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