第24話 一ノ瀬さんとお弁当!?
コンコン
僕は第2会議室の扉を叩いた。
「し、失礼しまーす」
そこに居たのは一ノ瀬凪沙だ。
「座って」
「はい」
僕はこれから怒られる...のではなく、一ノ瀬さんと資料について話合うところだ。
〜昨日の夜〜
僕はいつも通り、家で追いついていない資料に手をつけていた。
「あれ?」
僕は、あることに気づいた。
ここの数字間違えてないか?
僕は何回か確認したがやっぱり数字が合わない。
これは!
あの完璧超人一ノ瀬さんがミスをした!?
僕が一ノ瀬さんにマウントを取れるチャンスか?
〜今日の朝〜
僕は少し早めに家を出て、一ノ瀬さんのいる教室までいった。
「あの、一ノ瀬さんは来てますか?」
僕は教室を訪ねた。
誰も僕の声に反応もしなかったが一ノ瀬さんは僕に気づいて教室の入口まで来た。
「なに?」
「えっと...」
僕が一ノ瀬さんと話そうとすると教室の人達に注目された。
教室はざわめき、ドアの入口にいるはずの僕達が一気に注目される。
僕はびっくりした。
「ちょ、ちょっと向こうで話さない?」
「なんか注目されている気がするんだけど...」
「いいけど」
僕は教室から離れた場所で一ノ瀬さんと話すことにした。
「これなんだけど、」
「ここの数字が間違っていて一ノ瀬さんに確認してもらおうと...」
なんか、変に緊張する。
僕等が廊下で喋っているのが悪いのかもしれないが、何故か異様に見られてる気がする。
一ノ瀬さんは資料を見ていった。
「お昼、いつもの第2会議室に来て」
「そこでもう一回教えて」
そう言われ、一ノ瀬さんは教室に戻って行った。
〜そして現在〜
「ど、どうですか」
僕は再び間違っているところを一ノ瀬さんに確認してもらった。
「これは私のミスね」
「ごめんなさい」
そう言って一ノ瀬さんは自分が使っているパソコンで修正して僕のパソコンに送った。
僕等は、必要な会話を終わらせてお昼ご飯を食べる。
二人ともなにも喋らないため、僕の電卓の音とパソコンのキーボードの音だけが響いた。
き、気まずい!
なんで二人でご飯を食べているんだ?
僕等はそこまで仲が良かったか?
僕がそう思っていると、
「手伝おうか?」
一ノ瀬さんが気遣ってくれる。
「私、もうお昼ご飯も食べ終わったし」
「いや、もう少しで追いつくから大丈夫」
僕は断るが、
「ご飯を食べながらは行儀が悪いと思う」
僕はその一言で諦めて、今の作業を一ノ瀬さんに渡した。
僕がお弁当を食べていると一ノ瀬さんがものすごいスピードで計算していく。
「すごいな〜」
僕は心で言ったつもりが口に出ていたらしく一ノ瀬さんが作業の手を止めた。
「そんなことないよ」
「私なんて全然」
このときの一ノ瀬さんは褒められてないようで恥ずかしそうに顔を赤らめていた。
僕は途中で一ノ瀬さんと作業を交代し、昨日の遅れをお昼休憩で取り戻した。
カチッ
音がなり236→235になる。
僕と君の残された時間 @okome012
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