オセロの才能(R6.8.21)
昨日からちょくちょく他の患者さんと話をしている。
昨晩俳句が好きということを伝えたら、青年が俳句を詠んだと言って教えてくれた。「季語がないんですが…」と言いながら、彼が口頭で発表してくれたのが次の句。
小便のにおい漂う隔離室
俳句を普段詠まない人に俳句を詠んでもらうと、「母への思い」とか「友の笑顔や」とか、そんな句が多くなる。
彼の句は五感のスケッチになっているので、季語こそないがとても俳句向きの方なのではないかと思った。
妹が明日面会に来てくれるかもしれない。面会時間は決まっていて、最大十五分しかない。秋草賞についての相談をしたいが、時間が足りるかどうか、かなり厳しい。
同室の女性とオセロをしたら白63、黒0で圧勝してしまった。角を取られないように意識しただけで、特に必勝法を知っているわけでもないので偶然なんだけどびっくりした。
電子辞書のケースの中に、秋草の句会で使った短冊がどっさり入っていた。先生の字はいいな、とか、この句は自信があったけど誰にもとってもらえなかったな、とかいろいろ考えて楽しくながめている。
俳句は短いから、頭の中に持ち運べる。もしこれから私の病気が悪化して、トイレとベッドしかない、外からしか開けられない部屋に閉じこめられても、私の頭の中には先生や秋草の皆の俳句がある。とっても心強い。
退院は九月になると思う。参加したい句会がたくさんある。とはいえ、あせらず回復を目指したい。
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