ルーキーヒーロー

@hoshinashi_ookami

第1話 いつもの朝

私の名前は浦坂真奈。アメコミ、ヒーローものが大好きなそこら辺にいる女子高生。

しかし、たった今「そこら辺にいる女子高生」ではなくなった。

遡ること今日の朝。


「うう…もう朝?早くない?」

窓から朝日が寝起きの顔に容赦なく降り注ぐ。今日がはじまったって感じだ。寝起き特有の目の前がボヤケている感じがまだ残っている。

目をこすりながら階段を降りてリビングへ向かう。

「マー?起きたのね。作ったから早く朝食を食べなさい。」

母親が朝食を食べるように催促してきた。ちなみに「マー」は家での私のあだ名みたいなもの。もともと名前が「まな」で2文字なのに略す必要ある?って思ってたけど実は案外気にっている。

いつものようにご飯を食べて、学校に行く準備をして、お弁当を持って、今日も普通に家を出た。


時は7月中旬。もう少しで夏休みだ。最近は暑くて参ってしまう。

「真奈ー!おはよー!」

朝でも元気いっぱいな声。私の唯一の親友である「環たや」だ。読み方は「たまきたや」。たやの親にはとっても失礼だが絶対テキトーに考えた名前だ。呼びやすいのか呼びにくいのか微妙なラインを攻めている。

「真奈、今朝のニュース見た?なんか物騒なことになってるらしいよ?」

「物騒なこと?まーたフェイクニュースに引っかかったんじゃないでしょうね?」

「ち、違う!ちゃんとソースも調べたよ!このたや様の知能を舐めないで頂きたい。」

何が舐めないで頂きたいだ。これまで何度引っかかっているんだ数え切れないぞ。

このコンピューター技術が飛躍的に進化したこの世の中。誰でも簡単にフェイクニュースを作れてしまう。

「なんかね、人のスマホがハッキングされて勝手に爆発しちゃうらしいのよ。しかもここ最近頻発してるみたい。」

心の底から信じられないことをたやは言い出した。

「なんだそりゃ、どうやって爆発させるんだ。」

「なんか詳しそうな人によるとなんやかんやで爆発させているらしい。」

…信憑性が全くない。たやはいつもそうだ。でもそういうところがたやのいいところでもある。かわいいから。

「ヤバい!遅刻しちゃう!」

たやが突然走りだした。

「早く早く!走れ!真奈!」

こうして騒がしい朝を過ごしたのだった。

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