決着 7-2

「ならこれも許してくれるよね」

「はぁ?」


 大原3人衆が苛立ちと困惑の表情を浮かべ、クラスメイトは何事かとこちらに視線を集める。


 視線を感じつつ大原さんの机に近づき、椅子に足をかけ思いっ切り左右に振る。

 するとガタガタと音を立て机は倒れ、椅子はその辺に飛び、机に置かれていた筆記用具などはそこら中に飛び散った。


 そして。


「ごめ~ん」

 どこかで聞いたことがあるそれを真似するように口にする。


「お前ふざけんなよ!!」


 言いながら鬼の形相で詰め寄ってくる、大原さん。


 次の瞬間。

「ボコッ!」


 大原さんの右ストレートが俺の右頬を直撃し鈍い音が教室に響く。


「うわ、まじか」

「いたそー」


 この状況を見ているクラスメイトがどこか他人事のような声をあげる。

 これが橘凜や田中君ならそうはいかないだろう。

 皆心配し、そばに寄ってくるだろう。


「謝れよ!」

 怒気。殺気が入り交じった声で謝罪を要求してくる大原さん。


「謝ったじゃん」

「お前!あれのどこが謝った内に入るんだよ」


 今度は胸ぐらを掴み、もう一発おみまいしてやろうかと睨みを利かしてくる。

 その状況をクラスメイトは助ける訳でもなくただ可哀想な目を向け、どこか米沢ならいいか、そんな冷めた視線で見ていた。


「今、どんな気分?」

「最悪だよ、今すぐお前を殺したいね」

「そうか、俺は大原さんと同じように謝ったんだけど。おかしいな」


 わざと、挑発するように言う。

 ――

 

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