第7話 犬さんこちら手のなるほうへ

「いぬがきた 放屁起動させよ INUHANIKAINIAGARUDAROU」

 目だし棒のサンタが小声でいった。

 そして――パグに目を見せた。

 その目は――。ハルのものだった。


「らぁ!」

 ハルが大声で叫んだ。あたりが静まり返る。一階ではテツが、

「皆さん危ない! すみませんが止まって~」

 と声をかけている。鬼ごっこ大国の人達はさすがルールをわきまえていた。

「そういうことなら少し待ってあげましょう」

 白髪の紳士が禿げ頭をてからせた。

「お礼です」テツは五アラバキドル(日本円で五十銭)銅貨をとりだすと紳士に預けた。

 そして――「200アラバキドル。つまり200問円くばりおえたよ!」と連絡した。

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