第5話 それからまもなく

「わおーん。犬め~。トイレの近くにいたなぁ」

 拡声されてる、まずい――と犬は思った。

「ハルだけ別行動をとってる」あのとき、こりどうはいった。二手の中で二手にわかれる――「ひっかけ問題みたい」テツが笑っていた。


      *


 ハルはおもった。(これなら、勝てるな)

 ハルは吹き抜け廊下の涼しい空気を受けて、懐中電灯を手に取った。

 トランシーバーで連絡を打つ。「二階への透明吹き抜け廊下をみろ」

 懐中電灯が点滅しはじめた。

 次の点滅にかかる時間で推測。

 うなずく。

 x秒待つ。

 点滅。

 y秒待つ。

 点滅。

 xy番目のアルファベット(ひっ算のように十の位と一の位を同等に計算している)


 ハルが、うなずく。



 「INUHANIKAINIAGARUDAROU。」

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