自動販売機

紫閻-sien-

8月某日

「なんだよココのコンビニ無くなるのかよ」


暑くて喉が渇き 飲み物を買いに来た男 いつものコンビニに来たのだが

何故か閉店のお知らせの貼り紙がしてあった


仕方なく男は 近くの公園に そこなら自動販売機がある そう思い歩を進める


だが 少し歩いたところで1台の自動販売機を見つけた男


公園まで行かなくてよかった と思ったが そこには先客がいた


自動販売機の前で座り込み 何かをしているおばあさん

よく見ると小銭が落ちているのが見える


「おばあさん 大丈夫ですか?」男は老婆に駆け寄り声をかける


「すいません お茶を買おうと思ったら 」


小銭を拾いながら答える老婆 にしてもばら撒きすぎだろという量の小銭


「手伝いますよ 」 老婆に背を向け小銭を拾い始める男


しばらくして小銭を全て回収した男は 老婆に向き直り差し出そうとしたが


「あれ?いない?」 どこに行ったのだろう 姿が見えない


拾ったはずの小銭もいつの間にか消えている


辺りを見回していると


「ご親切にどうも」 どこからか声が聞こえてくる


だが老婆の姿は無い


「ココですよ」 よく聞くと下から声がする


まさかと思い 自販機の下を覗くとそこには老婆の顔があった


「ご親切にどうも」そう言いながらニヤっと笑う老婆










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自動販売機 紫閻-sien- @sien702

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