ルシャ・ダ・リセラの聖女～前世の記憶を思い出したら、自分が悪役だけど裏聖女だったことが判明したのでバッドエンドを全力回避します～

第1話

わたくしはリベッシュラム公爵家の次女・ラルシャーレ・十歳ですわ！

複数の神々のご加護を受けたかのような美貌が自慢ですの！

わたくしには姉が1人、兄が2人、義妹が1人おります。

姉と兄たちとは仲良くしているのですが、義妹は何かにつけて悪口を言い、自分の義父や母親に媚びているので苦手ですわ…。

あら、なんだか眩暈が…頭痛まで…わたくし、どうしたのでしょうか…？

これまでに経験したことがないほどの頭痛に苦しんでいると、突然どこかの誰かの記憶が流れ込んできました。

…新城琉雨…？高等学校…？

どうやらわたくしの前世はルウ様という方で、わたくしのように義妹に嫌がらせを受けていたようです。年齢はわたくしよりずいぶん年上の17歳ですが、わたくしを応援…？

…ルシャ・ダ・リセラ…？聖女？悪役令嬢…？

どうやらこの世界は『ルシャ・ダ・リセラの聖女』という乙女ゲームとやららしく、

わたくしが『悪役令嬢』？ほとんどのエンドで処刑…？

しかも、アメリーナ―ファが『聖女』？ほとんどのエンドで王妃に…？

そんな未来、絶対に避けるしかありませんわ！

琉雨様、わたくし頑張って処刑されずに幸せになって見せますわ！

「とはいったものの…」

どうすればいいのでしょうか？

わたくしが処刑されずに終わるルートの中でも、わたくしが結局不幸せになっているエンドが多いです。

早速記憶を探り、どのようなエンドがあるか見てみましょう！

…娼婦…最悪です。平民になる…ある意味幸せかもしれませんが大変そうですわ…

国外追放…どうすればいいのでしょう？

「これですわ！」

唯一わたくし側が勝利するエンドは、法廷でわたくしが『裏聖女』の力を見せつけ、

これまでの悪行や不倫が発覚したアメリーナ―ファが『偽聖女』だったとして処刑され、わたくしが王妃となるエンドです。

…王妃になる必要はないのですが…まあ、これしかないのなら…

…後々やり直せばどうにかなりますし…

「…いける、かなぁ…？」

ラルシャーレ、弱気になっている場合ではありません！

わたくしには琉雨様の攻略データや前世の記憶がありますわ！

仲のいい兄姉もいますし、心強い味方の側近たちもいます。

友人だっていますし、両親とも今からならばよりを戻せるはずです！

「いけます！いけるに決まっているではありませんか！」

まずは基礎から。態度を改め、勉学と剣術と魔法に励みます！

…琉雨様、ありがとうございます！

わたくしラルシャーレ、聖女目指して頑張りますわ！