第2話 占い師



 はいはーい。

 さっき道端にいたおばさんに占ってもらった結果を発表しまーす。


「お前たちは、絶対に別れる事になるだろう」

 だって。


 もうやになっちゃう、何あの意味分かんない占い師。


 彼氏とデート中なのに、気分下がっちゃったよ。


 面白そうだから占ってみようって思ったけど、完全にお金の無駄だったみたい。


「何であんなのに、お金を払っちゃったのかなぁ」


 私は、伊吹山千里は園山彼氏である雄太の腕に抱き着く。


 男らしくて、たくましい腕。


 頼りになる彼は、私の身の回りにいる他の男とは全然違う。


「仕方ないさ。ああいう道にいる様な占い師は、インパクトのある事を言わないと、すぐにお客さんにあきられちゃうんだから。気にすることはないよ千里」


 優しい笑顔で微笑んでくれた雄太の笑顔に、私は嬉しくなる。


 雄太はいつだって私の事を考えてくれるし、思いやってくれる。


 同年代の子供っぽくて悪戯ずきで馬鹿な男子たちとは違う。

 頭が良くて、思慮深い。

 人気者で、競争率高かったけど、幸運な事に私に振り向いてくれたんだ。


 自慢の彼氏なの。


 でもたまに不思議になる。

 こんな出来過ぎた人がなんで私の彼氏になってくれたんだろう。


 雄太と違って私には、特に秀でた所がないのに。


 見た目がすごくかわいいわけでもないし、頭がいいわけでもない。

 特別な特技があるわけでもないのに。


 でも、そうやって聞くと、雄太は必ず「千里が特別だからだよ」と言う。


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