プロローグ
「――あんこ、逃がさないぞ」
囁いた幼馴染の瞳は、獲物をしとめたような色をしている。「あんこじゃない」という返事は強引なキスで塞がれてしまった。
そして、その口づけは、いとも容易く
知らないうちに大人になっていた彼のそれは、数々の記憶を杏子から引っ張り出した。
自らの心臓の音を感じた時、杏子の目に映ったのは自分の知らない大人の男性の顔だ。
「もう逃がさないからな。あんこは俺だけのものだ」
逆らってはいけないと本能が警鐘を鳴らしてくる。彼が握ってくる手を振りほどけないまま、杏子は目をつぶった。
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