第2話 俺tueeee!

 気がつけば森の中にいた。


 異世界転生の転生場所としちゃ定番なんだろうな。転生したところを見られなくて済むし、ここからテンプレ展開へと持ち込みやすい。


 テンプレ展開といえばこれだろ。


「ステータスオープン!」


 ジェノス 種族 ヒューマン 17歳

 レベル 3652 スキルpt162560

 HP 56268/56268  MP 68524/68524

 ATK 8256 DEF 6854 MG 7652 

 SPD 2658 DEX 4568 LUK 99

 剣技10 全属性魔法10 鑑定10

 アイテムボックス 言語理解 見切り10 堅守10 箱庭10 神器創造 創造技巧

 


 これが俺のステータスか。標準がとんなのかは知らんけど無敵ちゃうか?

 でもゲームの頃よりステータス低い気がするな。あ、武具なんにも装備してないからか。


 俺の姿は布の服だ。防御力なんてないに等しい。アイテムボックスの中にないだろうか?


「アイテムボックス!」


 アイテムボックス

 在庫なし。


 マジか!?

 もしかして移したのはステータスだけで装備一切無しかよ。てことは箱庭の中もすっからかんか?


「は、箱庭開放」


 すると俺の眼の前に扉をが現れる。俺はその扉を開け、中を覗いた。すると扉の奥は何も無い空間が広がっていた。


「マジかよ……」


 俺はガックリと膝をつく。うおお、オリハルコンらヒヒイロカネの鉱山や温泉宿に薬草の畑とか作るのに課金しまくったってのに空っぽだとぉ!?


 オリハルコンの鉱山を作るのにスキルptを十万も使うんだぞ。装備もないってことはptアップするチートアイテムも無しってことになる。神器創造で作るのにどれだけ苦労したと思ってんだよ!


「くそっ、仕方がない。魔物が出たら魔法でぶっ殺すか。ステータスは一緒だもんな、魔法は使えるはず。どれ、俺の使える魔法は、と」


 魔法一覧

 マジックアロー

 リザレクション

 ※やってたゲームで同じ魔法これしかなかったわ。名前が違うと発動しないんでごめーんね☆  イヴェルより。


「うどわぁぁぁっ!! よりによってなんで初級魔法のマジックミサイルと回復魔法最上位のリザレクションなんだ! 極端過ぎるだろこれ」


 くううっ、マジックミサイルは仕様上消せないから残ってただけだ。使い勝手のいいフラッシュ系魔法とかこの世界にはないのかよ。あれは敵味方識別して攻撃してくれるから重宝したのに……。


 クソッ、これが現実か。だがレベルもステータスも圧倒的なはず。俺はこの世界で無双してやるぜ!


 それに創造技巧があるなら魔法も作れるかもしれん。このスキルはスキルptを消費してスキルを作るスキルだからな。


 神器創造はとんでもない武具を作るスキルだが材料がないと作れない。納得のいく武具を作れるのは当分先になりそうだな。


「まぁ能力のカタログスペック把握はこんなものか。後は実戦を交えて理解するしかないな。先ずは適当に獲物を探して狩るとしよう」


 見た感じこの身体は細マッチョだ。鏡がないから顔はわからんが、あのゲームのデータを基にしてるならそれなりにイケメンのはず。


 俺は早速軽く走ってみた。うん、身体が凄く軽い。全力じゃないのにかなりの速さだ。その速さにも目が付いていっているし邪魔な木も楽々避けている。こりゃ相当なハイスペックだな。


 そして走り回る事3分。やとらとデカい魔物を発見した。うーん、なんかのゲームで見たベヒーモスそっくりだな。鑑定してみるか。


 ベヒーモス 分類 魔獣

 HP2658/2813 MP726/726

 ATK788 DEF586 MG268

 SPD128 DEX26 LUK35

 威圧の咆哮5  突進6


 こんのもんなのか。俺の1割もないとか雑魚かよ。いや、俺が強すぎるのか。これはもう狩るしかないよなぁ?


「マジックアロー!」


 初級魔法マジックアローを使ってみた。生まれた矢は……うん、数えきれねーわこれ。とりあえず全力で、とか思ったら凄い数が出たな。とにかくぶっ殺すとしよう。


 俺はベヒーモスに真正面から立ち向かうと無数の魔法の矢を浴びせた。一本一本の威力が凄まじく、ベヒーモスの頭を貫通しまくっており、頭が蜂の巣になってしまう。うわ、原型とどめてねーわ。ちょっとだけすぷらった。


「うん、オーバーキルだったか。まぁいい。栄えある獲物第一号おめでとうベヒーモス! きっと君は高く売れるに違いない」


 俺はベヒーモスをアイテムボックスにしまい込む。ベヒーモスといえば上位モンスターのはず。そのベヒーモスより圧倒的に強いなら大丈夫だろう。ならさっさと森を抜けて街へ行くべきだな。


 となるときっとテンプレ展開の盗賊に襲われているやんごとない身分の方とか商人とかに遭遇するに違いない。


「さぁ、俺に助けられたいやつ出てきやがれーーー!」


 俺はテンプレ展開を求め森の中を駆け回った。そうして走り回ること二時間くらいだろうか。


 全く成果ありませんでしたわ。途中で適当に魔物と遭遇したから狩りまくっただけだな。やたらとでかい空飛ぶ蛇とかキマイラみたいなのとかね。まぁハッキリ言って瞬殺だった。


「うーむ、テンプレ展開は用意されていなかったか。仕方ない、とにかく森を抜けて街を目指そう」


 仕方ないので俺はとにかく森を抜けるため一直線に進んだ。道とか知らんから森を抜けるのに2日かかったことだけ言っておくわ。

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