第14話 再びディズニーワールドへ 修正版

※この小説は「フロリダへ行こう」の修正版です。実は、パソコンの操作ミスで編集中に保存できなくなり、新しいページで再開した次第です。文言や表現を一部修正しております。もう一度読み直していただければと思います。


トラベル小説


 リゾートクラブでの最後の朝食のホットメニューは、エッグベネディクトと肉入り野菜いためだった。トロッととろけるエッグベネディクトはとてもおいしかった。子どもたちも気に入って、日本人シェフに

「もうひとつくれませんか」

 と頼んでいる。シェフは快く応じてくれた。私がシェフに

「どうもありがとうございます。宿泊人数分しか作っていないでしょうに」

 と礼を言うと

「いいんですよ。余る時もありますから、喜んでいただいてうれしいです。加藤さん今日チェックアウトですよね」

「そうです。あさって日本に帰ります」

「そうですか、私の精魂こめたエッグベネディクトを喜んでもらえてよかったです」

「さすがフレンチのシェフですね」

 と言うと、笑っていた。


 朝食後、チェックアウト。クラブのスタッフに家族全員の記念写真を撮ってもらい、ディズニーワールドへ移動。泊まるホテルに荷物を預けて、レンタカーオフィスで返却。ガソリンは満タンにして返した。日本のカードが使えて安心した。ヨーロッパの無人スタンドみたいに日本のカードが使えないのでは困ってしまう。

 トラブルなく返却できてほっとひと安心。ブレーキに足が届かないので、ずっと腰にリュックをあてていたのに、事故なくすんでよかった。

 その後は、ダウンタウンディズニーを散策。ショップがほとんどだが、子どもたちが遊べる公園もある。私が子どもたちの面倒を見て、妻はショッピングに夢中だった。3時過ぎに遅めの昼食と早めの夕食をとることにした。朝食をいっぱい食べたので食欲がわかなかったのだ。イタリアンレストランでパスタを食べた。私はボンゴレ、妻はミートソース、子どもたちはカルボナーラを注文した。味はそれなりだったが、デザートのパフェがおいしかった。

 夕方にホテルに移動し、部屋に入った。先週と同じホテルに泊まった。棟は同じだったが、今回は1階の部屋となった。夜にシャトルバスでダウンタウンディズニーに移動。8時からショータイムだということで、見にやってきた。ここはお金がかからない。ショーはレーザー光線が中心で最後は花火で終わった。エプコットやマジックキングダムに比べれば小規模だったが、集まった若者たちは喜んでいる。ステージではロックだかなんだかわからない音楽が演奏されていて、集まっている若者たちが踊りまくっている。

 9時にはホテルにもどり、明日にそなえた。寝る前に子どもたちに

「明日はMGMスタジオに行くよ」

 と言うと

「エー! エプコットに行きたいな」

 と祐実が言うと、圭祐も

「ソアリンにもう1回乗りたい」

 と追従する。妻も

「私もダッフィに会いたいな」

 と言い出す。エプコットにダッフィが出現するエリアがあるのだそうだ。それで

「よし、明日はエプコットだ。夕食は鉄板やきだな」

 と言うと、3人は喜んでいた。

 子どもたちが寝た後、妻に話しかけた。

「ねぇ、この前の話の続きなんだけど・・」

「エッ? なんの話?」

「オレと結婚した話」

「あーあれね」

「なんか気が抜けるな」

「まぁ、聞いてあげるから話してみたら」

「じゃぁ、オレは部長からひとみに会ってみないかと言われて、会ってみたらいい人だと思ったんだけど・・」

「私もいい人だと思ったわよ。でないと結婚するわけないでしょ。それに社長命令だったし・・・」

「エッ! 社長命令?」

「そうよ。社長から海外事業部に生きのいいのがいる。将来、会社の中枢を担うかもしれない。ただ、海外駐在で変なオンナにつかまらなければだがな。それでひとみくんが専属秘書としてコントロールしてくれないかな。もちろん、会ってみてだめだったらNOでも構わん。と言われたの」

「それでオレと会ったわけか・・会ってみてどう思ったの?」

「第1印象はイモ兄ちゃん。でも私チャラチャラした人嫌いだから悪い印象じゃなかったわよ。まじめそうだし、子ども好きというのがわかったから」

「そういえば、あの時姪っ子の話をしていたな」

「これで納得した? 眠いからオヤスミね」

 ということで、妻も寝てしまった。

「イモ兄ちゃんか・・・」

 そう思われても仕方ない。地方から出てきて、渋谷にあるA学院大学の経済学部に入ったが、なんか校風になじめなかったし、毎日服を変えるのが面倒くさくて、運動部でもないのに学生服で通っていた。2着の学生服を交互に着ていたのである。硬派だと思われていたので、彼女はできなかった。バイトが忙しかったので、サークル活動もしなかった。会社に入っても仕事ばかりしていたので、女性と付き合うこともなく、ひとみと初めて会った時も緊張ばかりしていた覚えしかない。イモ兄ちゃんそのものである。そう思われても仕方ないが・・・。妻のチャラチャラした人嫌い、という言葉が気になった。もしかしたら過去にそういう男と付き合いがあったのだろうか・・・。そんなことを思っているうちに眠気がおそってきた。

 無事にレンタカーを返すことができ、安堵して本日終了。

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