その6 妖怪かな

(6)



轆轤ろくろ?)

 えっ、なんや、妖怪ろくろ首か!

 そう思って顔を上げた。

 するとオレンジ灯に照らされて徐々に顔が見えて来る。

 だが、見えたその顔は妖怪じみてはいなかった。

 どちらかというと、それは…、

「…あ、。本当は『六郎』なんやけどなぁ。音合わせで『轆轤』としてる、研究論文も全部その名や。そして見てみぃ、役者さん。どや?まるで蜥蜴みたいやろ?コオロギやなくてな」

 そしてにっと眼鏡奥で目が笑う。

 正にロダンは思った。

 この店主は爬虫類の『蜥蜴とかげ』だと。



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