完璧お嬢様が俺の妹の体に入ってデレてくる
Shutin
第1話 ネコを被る美少女の猫撫で声がよく響く
ゴロゴロと俺の膝上で喉を鳴らす彼女は、妹の皮を被った同級生だという事は誰にも言えない。もちろん、妹の中に入るその同級生には尚更だ。
少し前から俺の妹は時々別の人格に乗っ取られる現象が起きている。いや・・・正確に言うと俺の同級生と中身が入れ替わっているのだ。
もちろん兄である俺はその事実にいち早く気づき、妹の中身を調べ当てた。しかし妹も入れ替わりを認識しており、その事に関しては放って置いてくれと頼まれた。妹の入れ替わり先のアイツには絶対に言及しないであげて欲しいと言われた。
だから俺は今日も、妹の外見をする同級生と家族として暮らしている。共に飯を囲み、談笑し、同じ屋根の下で眠る。
だって妹だから。中身は他人でも、見た目は可愛い可愛い妹だから・・・・・・
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俺の妹、
「今日もやってよー。
高校一年生だというのにまだあどけなさを残した表情で、妹は髪を撫でるように媚びてきた。指を3本入れてスーッと落として行く。まるで水面をなぞる時のように何の抵抗もなく毛先をピンっと立てた。
髪に指を通しながら、さっきの自分の言葉を訂正しないといけないと思った。『俺と同じ髪』なんて称するのは真央に失礼だ。手入れの行き届いた光沢のある彼女の髪は、いくら同じ遺伝子を持っているといっても俺の髪とは雲泥の差だ。
「今日も髪キレイだな。シャンプー変えた?」
「えへへーありがとう。でも使ってるのはおにーちゃんのと同じ奴だよ」
「同じっても・・・・俺が勝手に使ってるだけだけどな」
「いーよ。おんなじ匂いで嬉しいし」
日本で一番仲の良い兄妹とは、俺達の事だと勝手ながら思っている。
真央は可愛く優しい子だ。こんな妹を嫌いになる方がおかしい。
友達は真央の事を見て学年で一番カワイイとほざいていたが、それは違う。
そんなもんじゃない。容姿も性格も某国民的アイドルでセンターはれるくらいはカワイイのだ。
ただ一つ勘違いしないで欲しいのは、俺達の『仲良し』の形はこれではないという事だ。
こんな付き合いたての仲睦まじいカップルのようなものでは無いという事だ。終始俺に『デレデレ』な妹では無いという事だ。
罵倒を浴びせながらも時折見せてくれる『デレ』が愛おしい、真央はそんな愛すべき妹ちゃんだった。いや・・・・それが本当の真央なのだ。
ログインボーナスの通知が日付が変わった事を知らせてくる。
流石の妹も読んでいた俺の漫画を本棚に戻し、自分の部屋へと戻って行った。
「おやすみ、おにーちゃん」
名残惜しそうに、妹ちゃんは扉から顔を覗かせる。今気付いたが、ライトグリーンの少し大人っぽいパジャマが良く似合っている。
しかし兄としてはいつまでも可愛い妹でいて欲しいので、先月に控えている真央の誕生日にリボンの可愛いピンクのパジャマを買ってやろうと密かに計画した。
「良い夢見ろよ、おやすみ」
「明日はおにーちゃんが目覚まし当番だからね」
「分かってるよ。ちゃんと7時に起こすよ」
「よろしくね。じゃ、また!」
ドタドタと自分の部屋に戻っていく音が聞こえる。深夜だというのに元気なものだ。
俺も同様にベッドに入る・・・・前に日課の日記をつける。
俺に関しての日記ではない、真央のフリをしている、妹の身体の中に入っているアイツについての日記だ。
一言一句。アイツが今日、学校でアイツとして喋った事を、家でアイツが真央として喋った事を記す。
そうしてアイツの真意を見定めるのだ。
さあ・・・お前は何が目的なんだ?
妹の身体に入って、俺と仲良くして、楽しそうにケタケタ笑って。
妹の身を借りている間、お前は何を思っている?
学校一の美少女、高嶺の花、
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