可愛くて切ない恋ごころ

@sacura

第1話

「姉貴、好きだ」


そう言って俺は姉貴の首筋にキスをする。

姉貴は知ってるのか知らないのか、「んっ」と甘い吐息を吐いた。


もっと掻き乱したい衝動に駆られる俺は、パジャマのボタンを少し外した。

絶対キスなんかしない。ざまあみろ。


姉貴が彼氏なんてつくるから、こんな事になるんだよ。

俺がめちゃくちゃにしてやりてえの姉貴だから。


だから他の女と寝てんのに、クソすぎ。彼氏のヤツ。

俺は姉貴の初めてを奪いたかった。アイツよりも先に。


だって、俺の方が好きなんだからさ。


「姉貴、起きてる?」


本当は起きているのに気づいているのに、姉貴は何も言ってこない。

俺に犯されてるのを待ってるのか、それとも俺以外とシたのか分かんないけどさ。


「すっげえ、むしゃくしゃする」


愛してるもキスなんかも言わないで、俺は布越しに愛部をした。

姉貴の我慢してると吐息が可愛くて、すぐ犯したい衝動を我慢する。


でも、アイツのこと本当に好きだったら?

一瞬不安がよぎる。


だから、おでこにキスをして終わりにした。

もっとシたかったけど、姉貴を傷つけたくなかった。


「姉貴のあほ、」


あんなヤツと別れれば良いのに。


「愛してる、」


姉貴の口からそう聞いた俺は、一瞬ひどく苦い気持ちになった。

俺は何も言わず部屋から出て、その場を後にした。


ほんと、最低な奴。

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