◆番外編 暗黒街の皇子 2
「これはどういうことだ?」
今度はスーツをバッチリ着こなした男が出てくる。
ただし、片目に大きな傷跡がある。
僕でもわかる。
その筋の人でいらっしゃる。
「店長、こいつ強え……」
「バカヤロウ、こんなガキに舐められやがって! さてボウズ、おいたはここまでだ。さっさと出すもん出して帰んな」
店長が凄んでくる。
恐ろしいほどの目力だ。
きっと修羅場をたくさん経験しているんだろう。
僕は少し怯み、思わず一歩後ずさっていた。
「待って! そのお金なら私が払うから!」
一触即発の雰囲気に割り込んできたのはさっき僕が相手した女だった。
「リノア、意味分かってんのか?」
「この子はあんたたちの誰よりも上手かったわ。優しかったし」
「商売女が客に入れ込んでどうすんだよ、バカが。このガキがたらし込んだのか? どうやったか知らねえが商品価値を下げやがって!」
店長が僕に襲いかかってこようとするが、僕は使えそうなスキルと修羅場の経験、そして今の僕の状態を店長と【交換】した。
情事のあとは、ものすごく疲れる。
その状態を交換された店長は疲労と脱力感に襲われているはずだ。
そして修羅場の経験を得た僕は、即座に【威圧】と【豪胆】というスキルが生えてきた。
この店長、王国の裏組織『ブラックカンパニー』の幹部だ。
そこにのし上がるまでに何度も死ぬような思いをしていた。
それがあの目力だ。
今度は僕が店長を睨みつける。
凄まれた店長はひざまづく。
「なんだこのガキ…… 歴戦の猛者のような威圧感は一体……」
「僕は最初の代金を払うと言ってるだけなのに、無理に僕に借金をさせようとしましたね。だから僕も同じことをしてもいいよね?」
僕は三人を見下ろす。
「僕への迷惑料として、このくらいの額を僕に払うと約束してください」
そう言って提示した額は、僕が後で請求された額にさらに四桁ゼロを追加した額だ。
別に額はいくらでもいいんだけど要は僕に今後二度と逆らえない額だ。
「バカ言え…… ぼったくりじゃねえか!」
「あなたがそれを言うんですか?
当然三人は首を縦に振らない。
でも、騒ぎを聞きつけて集まってきた女たちをリノアが説得し僕と三人が契約しないと女たちがみんなこの娼館を辞めると言い出したので、結局借金の契約を結ぶこととなった。
あ、最初に提示された料金は後でちゃんと払いました。
◇◇◇
そのあと、リノアが説得した娼婦たちを何日かかけて順番に抱いていくことになった。
リノアが僕に協力する条件だったからだ。
半信半疑だった娼婦たちは僕に悪意を持っていたので十分に満足させることができた。
逆にリノアの言葉を信じた娼婦たちは思考が読めないのでそこまで満足させられずに終わった。
それでも、僕は絶倫だということがわかったので大した不満はなかった。
何せ事の最中に僕が疲れてしまったり達してしまったりしても、すぐに誰かと体力を交換したり達した状態を誰かと交換すればいいので、交換できる限りは何回戦でもいけるからだ。
あとは、数をこなした分だけ上手くなってたから。
◆◆◆◆◆◆
いつもお読みいただきありがとうございます!
ゴールデンウィーク用の特別編です。また長くなったので分割します。
※アダルトな部分の詳細は書けませんので、各自の妄想スキルで補完してください。
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