変な手紙

天川裕司

変な手紙

タイトル:変な手紙


菜穂子「ねぇねぇ、それラブレターなんじゃないの?♪」

「そうかなぁ〜汗?」

菜穂子「ねぇ、読んでみようよ」

「うふふ、…うん、読んでみるよ」


ある日、アパートのポストに手紙が入れられていた。

その手紙の体裁からして菜穂子の言うように、

なんとなくラブレターな気はしていた。


でもどこの誰だかわかんないし、

はじめは捨てようかと思ったんだけど、

菜穂子があんまり囃すもんだから

私もついその気になり、手紙を開けて読むことにした。


「こんな手紙で気持ちを伝えることを許してください。ずっとあなたのことを見てました」


菜穂子「ほぅらやっぱりラブレターじゃん♪」

「うふふ♪」

菜穂子「ね、読んでいこ、読んでいこ♪」


私たちは少しでも楽しみながら読もうと、

次の行を手紙入れの紙で隠しながら読んでいた。


「いつも綺麗で可愛らしくて誠実な君。この前公園で空き缶拾ってゴミ箱に捨ててたよね。なかなか今の人にできることじゃないし、君はやっぱり僕の理想のタイプだと思った」


「……なんで知ってんの?日ごろの私の事…」

菜穂子「……」


「部屋の模様も変えたんだね。とても良いと思うよ。カーテンはオレンジ色にして部屋は明るくなったし、レイアウト用に買ったアンティークもその部屋に似合ってる。いや君に似合ってるよ」


「……ちょ、ちょっと気持ち悪いんだけど」

菜穂子「オレンジ色のカーテンってこれ、昨日買ったやつよね確か…」


そして隠していた次の行を読んだ時…

「今着ている白いセーターも、とても似合ってるよ」と。


私は慌てて手紙の全部を見た。

その手紙の最後に、差出人の住所が記載。

「………これ、私の部屋の住所…」


動画はこちら(^^♪

https://www.youtube.com/watch?v=Id7QYW-8V4A

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

変な手紙 天川裕司 @tenkawayuji

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ