第4話 10年前のあの日②


気が付いたら俺は何もない黒い空間で落ちていた。

当時は一切分からなかったが今の俺なら分かる。

これが虚空である。

ちなみにこの時は体が一切動かなく、意識だけがあった状態だった。

俺はそこで死んだんだと思った。

だが、その時どこからか声が聞こえた。

いや、これは感覚なのだが直接頭に響くような感じで聞こえた。


「—は、——は、お前はこんなところで死ぬのか?」


俺は口を動かすこともできないし唐突に声が聞こえたので焦っていた。

だが声は俺を待ってくれない。


「お前は―———————死ぬな」


聞こえないことろも多くあったが俺はその声が聞こえ終わると意識がなくなった。




何故か俺の意識が覚醒する。

沈んでいた体も突然上昇していく。

水面付近まで浮上すると目の前には最後に俺が助けを求めた人が俺の方へ泳いで寄ってきていた。

この時の俺は死ぬ間際であり死んでいたのにも関わらず冷静だった。


「すいません。溺れてしまいここまで来てしまったんですが助けてもらえませんか?」


8才という歳にも関わらず、簡潔に丁寧に助けを求めた。

目の前に来たのは若そうな女性でありその後ろに若そうな男性が2人追ってきていた。


わかった!

と女性が答えてくれた後にたまたま持っていたであろう浮き輪を俺の方に投げて掴まってと言ったので掴まった。

するとその女性と男性の3人が波も利用して沖から岸へ押して行ってくれた。


相当戻り、俺は足が付けるようになったがまだ3人は押してくれた。

水位が俺の腰くらいのところまでくると3人は俺に色々と言ってくれた。

俺も感謝を沢山述べ、色々話した後そこで別れた。

俺は俺を探していた母の前にごめんごめんと平然を装い、戻った。



3人の大学生が俺の恩人となり俺を助けてくれたおかげで今俺は生きている。


これでひとまず回想を終わらさせてもらう。

そして色々疑問もあると思う。

何故、死んだと言っているのか。

それがどう関係しているんだと。

まず、死んだと言っている理由について。

これは1つは感覚でなんとなく死んでいたと俺が感じたから。

それと助けを3人組に求める際、俺の心臓の鼓動はとても弱弱しいものであり俺の意識が戻ってから少しの間は何故か意識だけある死体みたいな感じで何もできなかったから。

正直、死んでいなかったかもしれないが後の話から死んでいたと俺は思っている。

んでこの話と情報が俺にぶっこまれた話の関係だが俺の体には2ある。

多分これが原因で俺に情報がインプットされ何故魂が2個あるのかというとこの時俺が死んだからだ。

普通は1人の人間に対して魂は1個なのだ。

何故魂が2個あるのが分かる等の質問は感覚としか答えようがないが事実である。

死ぬ前までの俺でありその時で止まっている俺という魂と死ぬ前までの俺をコピーさせ新しい俺という魂の2つ。


ここら辺に関して言えば説明が難しくもあり、説明しても俺以外には格が足りない。

ちなみに人格などは魂と同じであり、違う。

ここの説明はまた今度にさせてもらう。



さて、俺は大量の情報を手にいれたがこの先どうするべきか…。










―————作者から―————

ちなみにこの江の島での出来事はフィクションなどではなく自分の実話です。

※多少小説チックにはしていますがほぼほぼ盛っていません。

本人様達は忘れてしまっているかもしれませんが今自分が生きているのはあの時助けてもらったおかげです。

本当に感謝しています。

命の恩人の3名様、あの時助けてくださり本当にありがとうございました。

―————命の恩人へ―————

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