記録神の端書1

1.記憶の無い男 で登場したものの情報


――人物――

 クロム

 本作主人公。記憶を失い、山中で倒れていたところをウルクスに助けられる。ウルクスが死んでからは、探索者として迷宮に潜る。

 魔術と相性が悪いのかほとんど使えないが、剣や槍など近接武器の扱いに長ける。


 ウルクス

 クロムを助けた老翁。かつては都市シャデアで探索者兼鍛冶師をしていたが、やがて人里から離れて霊峰山脈の麓に住まうことにした。

 クロムに様々な知識や〈剛力〉を教えたが、最後まで植物の見分け方を仕込めなかったことを悔いていた。


 ヘルリック

 ウルクスの古い友人。行商人を目指し、資金集めのためにウルクスと迷宮へ潜っていた時期がある。クロムを山から連れ出し、探索者として迷宮と引き合わせた。


 〈深淵の愚者〉ガハラ、アリシア、パトリオット、ジェイド、ミーア、レラ

 二級探索者パーティ。個々の実力は一級探索者に並ぶが、パーティとして一級に上がれないのはリーダー格のガハラが気まぐれなほか、様々な間の悪さが災いして迷宮踏破までたどり着けないせい。要するに折角強いのに実績(信用)がいまいち足りない。

 その気まぐれさでクロムの噂を聞いて面白がり、半ば強引にオセ迷宮での共同探索を決めた。 

 過去にはポティスという男がいたが、シャデアに来る前に離脱している。


 〈水竜の冠〉、〈栄光の旗〉(計六人、名前未定)

 フォラス迷宮を踏破した二級探索者パーティと、その探索を手助けした三級探索者パーティ。

 〈水竜の冠〉の四人は全員突破力が高いが探索が苦手で、〈栄光の旗〉の二人は探索は得意だが戦闘の実力が足りていなかったが、組むことで互いに問題点が解消された。

 作中では書かれていないが、〈栄光の旗〉は〈水竜の冠〉に統合されて、今は六人パーティになっている。


 銀の髪の女

 クロムの夢の中に出てきた、推定女。

 何やら記憶を失う前のクロムと関係があるらしい。


 禿頭、茶髪、銀髪

 クロムの夢の中にたびたび出てくる三人組。揃って特徴のある衣服を着ていた。(が、クロムの記憶からは抜け落ちている。)


――魔獣――

 赤い猿の魔獣

 ウルクスを殺した魔獣。生き物とは到底思えぬ恐るべき生命力でクロムを追い詰めた。


 鎧蜈蚣

 クロムが倒した蜈蚣型の魔獣。作中だと〈武器庫〉になったり鎧に加工されたりと活躍(?)した。

 実は腹側の甲殻は背側の甲殻よりも薄くて脆いため、仰け反らせた時に腹側を割ると倒しやすい…ということを職員が言っていたのだが、クロムは聞いていなかった。


 白輝蜈蚣

 迷宮で希少種と呼ばれる種類の魔獣。魔術を掻き消す魔術、甲殻の防御力を向上させる魔術、条件付きで回復する魔術を使える。

 オセ迷宮五十六層に居座っていたが、クロムが防御の魔術に対抗できる迷宮品〈瓦解のショテル〉を持っていたため討たれ、〈白輝蜈蚣の外套〉という迷宮品に姿を変えた。


――道具――

 収納袋

 様々なものを収納できる袋や箱。品名は箱や腕輪の形をしていても収納袋で統一されている。

 収納できる量には制限がある。


 武器庫(蒐集箱)

 クロムが鎧蜈蚣を倒したときに手に入れた、武器専用の収納袋。

 武器と認識できるものしか入れることはできないが、その分収納袋よりも多量に入れることができる。

 蒐集箱は、特定の物品を大量に入れることのできる〈収納袋〉の総称。


 現世の鏡

 すがたかたちを変えている者を正しく現す〈剔抉〉という効果を持つ、曇った鏡。


 迷彩の鎌

 所持していると離れた者から姿が見えなくなる〈迷彩〉という効果を持つ、大鎌。


 瓦解のショテル

 防御行動をとった相手に対して攻撃するときに絶大な力を発揮する〈瓦解〉という効果を持った、腹から剣先が垂直に曲がった形をした剣。

 白輝蜈蚣を討った際に砕け散った。


 白輝蜈蚣の外套

 外部からのマナを一切通さない〈魔力遮断〉、二日に一度、致命的な怪我を肩代わりする〈依代〉、外套自身を修復する〈自己修復〉の破格の効果のほか、〈調伏〉と〈災禍〉という正体不明の効果を持つ。


――魔術――

フラム…炎を起こす

アクオ…水を創り出す

ヴィンター…風を起こす

グルド…土を創り出す

剛力リギテット…ごく短い時間、身体の力を大幅に増強させる

鋼鉄カリプス…集中した体の一部を鋼のように硬質化する

転移シャンゴ…迷宮内において、特定の層に移動する

階層ヒエラキオ…その迷宮で踏み入ったことのある層、踏み込むことのできる層を知覚させる


――地理――

 物語の舞台、西大陸は〈霊峰山脈〉と呼ばれる山脈に東西を二分されている。

 クロムが活動するシラー帝国(シラー:帝国を築いた人物が名乗った性)は西大陸西側に位置する。シラー帝国は二十年前に西側諸国を短期間で併合してできた一大国家である。霊峰山脈東側は北にプラバ王国、南にペンタクル連合国といった国が位置している。

 東大陸は自然が厳しく、人が住まうに適した土地が少ないため、人口も少ない。西大陸で語られ信奉される神々以外に、密かに信じられている神がいたりする。


――神々――

アリヒ:創造神。末の娘に殺される。

ニタスタージ:赦免と闇を司る神。柔和な表情と声は周囲を穏やかにさせる。男神。

イリアオース:秩序と光を司る神。いるだけで周囲に緊張感を与える雰囲気を持つ。女神。

******:アリヒの末の娘。アリヒを殺して天界から姿を晦ました。女神。

シバメスタ:秘密と契約の神。アリヒ没後、争っていたニタスタージとイリアオースを説得し、人間に力を与える代わりに代理戦争に利用することを提案した。

サーラ:水と海を司る神。素の気性は荒いが、ニタスタージの前では猫を被っている。なお周囲にはばれている。女神。

キシニー:雲と嵐を司る神。サーラの弟でゲオリエッダの夫。飄々とした態度で姉を揶揄うのが趣味。男神。

ゲオリエッダ:農耕を司る神。性質上平時では二大神の次に多く信仰を集めている。女神。

ポレミス:戦略を司る神。男神。

ラコンティンフィオ:噂と秘密暴きの神。その性質上社会的に信用されず、ごく一部の情報屋以外にはほとんど信仰されない。男神。

エイサリー:鋼と鍛冶を司る神。鉱山夫や鍛冶師のほか、フラガゴースとの熱愛譚からか女性からの信仰が妙に多く集まる。女神。

フラガゴース:炎を司る神。エイサリーの夫。男神。

エノディナムス:武と戦争を司る神。ポレミスとは兄弟だが、仲違いしている。男神。

デトロダシキ:森林とその恵みを司る神。キシニー、エノディナムスと天界を荒らしまわる話は地上にも伝わっている。男神。

マニア:蒐集を司る神。代理戦争で得られた信仰の量をひたすら計測:記録し続けている。本人曰く(信仰が)いっぱい集まって興奮するとのことで、役目に満足している様子。女神。

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