第5話 校外学習1

6月某日ついに、待ちに待った校外学習だ。今回は電車で鎌倉まで行く。先生は引率しないから自由だし、屋台で買い食いもできる。俺は、電車の座席に座って外を眺めていた。すると、穂高が隣に座った。「隣いい?」

「いいよ」

と、穂高は座り、そして話を始めた。「満は鎌倉行ったことある?」

「あるよ。でも、中1のときだったかな」

「そっかー」

そんな話をしていると駅に着いたので電車を降りた。校外学習では、鎌倉の大仏と鶴岡八幡宮と昼ご飯を食べる店の3つがチェックポイントで必ずそこに行かなくてはならない。「お、鶴岡八幡宮だ」と髙宮が言った。

俺たちは鶴岡八幡宮で参拝を済ませた。俺たちの班では前川が佐助稲荷神社に行きたいと言っていた。「次、佐助稲荷神社行くぞ」

佐助稲荷神社は、鎌倉駅から徒歩25分ほどで着いた。狐を祀った神社である。俺たちはその神社にお参りをした。せっかくなので、班のみんな全員おみくじを引いた。「吉だー」

と、前川がはしゃいでいる。

「あ、俺は小吉だ!」

と、髙宮も言っている。俺はどうだったかというと……。「末吉…」俺がそう言うと、穂高が「私も末吉だった」と言った。再び俺はおみくじに目を移した。勉強を見るはずだったが、恋愛を先に見てみた。「恋愛は、『望み薄』と書いてある」俺はさらに読み進めた。「『相手のことをよく考えろ』か……。まあ、そうだよな」と俺が言った。すると穂高が「あ、そろそろ、お店行こう」と言って、歩き出した。俺は、おみくじを財布にしまい、穂高の後を追った。

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