彼女に救われたから今がある

猫渕 比加流

第1話 もう2年生

 進級した。新クラスの名簿を見たら、2年2組のようだ。番号は13番栗木満…クラス替えか、そうか。もう二年生になるんだな……。

「席について」

担任の先生は男教師か。まぁ、男だろうが女だろうが興味はない。

「今日からこのクラスの担任になる、奥元です。教科は国語、部活はバドミントン部。趣味は息子や娘と遊ぶです」

自己紹介の最中だが、早速ウトウトとしてしまう俺。

「じゃあ、自己紹介をやるぞー」

ボーッと聞きながら、机に突っ伏して本格的に眠りにつく。

女子の自己紹介が始まるが、どうでもいい。どうせ関わりあうことなんてないんだし……。

「えーっと…… 長谷部穂高です、よろしくおねがいします」

……ん? 長谷部、穂高……? 聞き覚えのある名前だな……。しかもこの声、聞き覚えがある。それもつい最近に聞いたような……。

「えーっと、趣味は音楽鑑賞です。あとは読書とかもします。あ、あとゲームとか」

俺は顔を上げ、その長谷部穂高を凝視する。

「起立ー」

学校らしい号令がかかり、俺は慌てて立ち上がる。

「気をつけー、礼」

『お願いします』

……とまぁこんな感じで自己紹介も終わり、また机に突っ伏して眠りにつく俺。しかし長谷部穂高が頭から離れなかった。「起立、礼」

『ありがとうございましたー』

帰りのホームルームが終わり、俺は教室を出る。そして真っ先に長谷部穂高が座っていた席へ向かう。しかしもうそこには誰もいなかった。

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