眠りの拳士 リー・メイリャン編6 バーラオスプラズマ圧縮ビーム砲
「zzz……(アハハ! アハハハハ!)」
「感情ドライヴ、数値上昇」
メイリャンの奥義を食らってしまった鋼鉄。バーニアを吹かし姿勢制御する。
「ぬうぅっ!! 姿勢制御!! バーニア!」
なんとか態勢を立て直し、レインに状態確認の命令をする。
「レイン! イグニスの状態確認!!」
「了解……機体損壊率56%、かなりのダメージを受けています」
「非常にまずい……そう何度もあの背撃を受けてはいけない……! とにかく爆睡拳がやっかいだな……」
「マスター、バーラオスの使用を提案シマス」
※バーラオスプラズマ圧縮ビーム砲
イグニッション・スターの左腰に一門取り付けられているプラズマ圧縮ビーム砲。
「わたしも考えていはいた……だがしかしバーラオスは、直撃すればコックピットまで焼きかねん……」
「なんとか直撃させずに機能停止に持っていく方法……はっ?!」
何かに気付いた鋼鉄。早速バーラオスのチャージをプロティンに頼む。
「プロティン! バーラオスのチャージ開始だ! チャージ時間を前面のモニターに表示!!」
「は~い! お安い御用だプロよ~!」
ピピっ!とチャージ時間がモニターに表示される。チャージ時間は20秒。このまま乗り切れるのか。
「20秒か……ブーストを使って時間を稼ぐしかない……」
「レイン! ブーストの権限を私に戻す! 一時的に手動に切り替え、レインはトリプルブーストの準備をしておいてくれ!」
「かしこまりました。マスター」
レインが返事をした瞬間、システム音がコックピット内にこだまする。
「敵機接近」
「ぬぅっ! 速いっ!! ダブルブースト起動!」
目にも止まらぬ速さで近づいてくるメイリャン!ハイとロウでは間に合わないことを悟った鋼鉄はたまらずダブルブーストを発動する。
「これで……引き離すっ!!」
大きくメイリャンの機体を蹴り、そのまま距離を取る。そして、バーラオスのチャージが完了した。
「バーラオスチャージ完了プロよ~! いつでも打てるプロ!!」
「バーラオスチャージ完了。照準をマスターに」
ハイブーストを使ってちょこまかと動くメイリャンに業を煮やす鋼鉄。
「くっ……これでは照準が……!」
「zzz……(あ、明日のブロック肉発注し忘れたネー!)」
「一瞬動きが止まった! 今だ! 幻のトリプルブースト!」
空間が一瞬時を止める。だがその後徐々に動き始める。不完全な時止め。
「照準固定。バーラオス発射!」
一筋の赤い閃光が空をかける。砲身の後ろ部分が排熱し、煙を出している。だがメイリャンのクレイジー・ムーンには直撃せず掠っただけだった。
「掠っただけプロ! また近づいてくるプロよ!」
「いや、これでいい」
「クレイジー・ムーン駆動部負荷限界突破。機能停止。機能停止」
「目覚めたばかりで調整不足、ブーストの過剰使用、加えて爆睡拳の無理な動き……駆動部が持つはずがない」
「アイヤー! なんねこの巨大ロボット?! 早速後で家に帰ってフルスクラッチするアル!」
開いたコックピットからメイリャンの大声が聞こえてくる。
「メイリャン!! 無事だったかネ?!」
「パーパ! また私と婿候補とか言うのと戦わせたね! もうやめるヨロシ!」
「わ、わしはただメイリャンと記念すべき100勝目を祝おうと思ってだな……」
しょんぼりするフェイロン。
「? そこの黒い塊、あんた誰アルか?」
「私は鋼鉄のレインの、鋼鉄。リー・メイリャン……君は星のチカラの継承者だ。一緒にきてもらおう」
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