眠りの拳士 リー・メイリャン編2 夢遊夢闘劇(むゆうむとうげき)爆睡拳
武夷山 広場 ~特設格闘会場~
「くっ! 中国武術といえば八極拳が主流だが、この子のは何か違うエッセンスが入っているな!」
「zzz……(マーマ! また私の服とパーパの服一緒に洗ったネ!)」
「くそっ!! この子は武術を生活の一部として取り入れているというのか……!!」
ズバァ!と直拳が空を切る。武夷山、広場にいつのまにか特別決闘場が開設されており、そこで鋼鉄とメイリャンはすでに戦っていた。観客たちがワーワー言っている。
「下馬評ではメイリャンさんが一番人気だ! みんなメイリャンさんに賭けてるぞ!」
「だが、あの黒い鎧の男も中々やるな……メイリャンさん相手にここまで持つなんて」
「zzz……(ヤー!)」
「速いっ!!」
メイリャンの諸手突きが鋼鉄を捉える!ズザザザと吹き飛ばされる鋼鉄。
「いかん……鎧があるからと言っても、このままでは私の体力が底を尽きてしまう……」
「ハイブースト起動! 出力は70%だ!」
「はあっ!」
鋼鉄がハイブーストで攻撃をしかけた瞬間だった。
「かはっ?! 馬鹿なっ!!」
宙に浮く鋼鉄。何が起こったのだろうか。
「zzz……(爆睡拳 古浸透勁!)」
「こ、これは鎧通し……浸透勁か! ハイブーストのスピードを逆に利用したのか……!!」
「あーれこそが娘の最終奥義、寝れば寝るほど強くなる! 夢で遊び、夢で闘う。夢遊夢闘劇(むゆうむとうげき) 爆睡拳(ばくすいけん)ネ!」
「さっすがメイリャンさん! いつも店内で俺らを寝ながらぶっ飛ばしてるだけありますぜ!!」
「しかし、おやっさん。どうやったらメイリャンさんはあんな強さを手に入れたんだ?」
「メイリャンは極度の夢遊病を患っているね……しかもたちの悪いナルコレプシーもヨ……だから日中はほとんど寝てるネ。けどあの子には武術の才能があったアル。そのおかげで日中寝ながら仕事できるようになたヨ、しかも寝てる間は夢の中ででも功夫を積んでいるね! その変わり接客しながらお客さんをぶっ飛ばすようになったアルが……汗 でもメイリャンは誰にも負けない強さを手に入れたネ!」
「メイリャンさんて……なんかすげー」
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