終の剣閃 ヴェロニカ編5 四聖四の剣 白虎


「私の剣の腕は! こいつらを倒すことで証明できる!! 剣神にさえ届く!!!」


 嬉々としてバリアに刀を振るう。笑いながらガィン!ガィン!とレインが張っている薄いドーム状のバリアに攻撃している。



「マスター。残りあと20秒でバリアが消失します」



「システム! 残りあと何秒だ?!」



「残り30秒で再起動可能デス」



「ちぃっ! 10秒足りん! レイン! 近接モード移行準備! 10秒だけ耐えてくれ!!」



「かしこまりました。マスター。近接モード、移行準備。ビームソード、チャージ開始」


 レインの右腕がブウウウンと唸りを上げ、エネルギーをチャージしていく。そうはさせまいとすかさずスキルを発動しようとするヴェロニカ。



「何か画策しているようだがそうはさせん! 四聖四の剣! 白虎!!」


 両腕の筋肉が急速に肥大し、メキメキと音を立てて盛り上がっていく。自身に四聖獣、白虎を宿らせて勝負を決めに来た。高威力の斬撃の応酬に、バリアはあっという間に破られてしまう。



「ビームソード、チャージ不足。不足分を実体剣で補います」


 刀身を実体剣で補ったビームソードでヴェロニカと戦おうとするレイン。だがヴェロニカは鼻で笑ってから声を出す。



「剣で私と渡り合おうと言うのか!! 笑止!!!」


「やってみなければ、ワカリマセン」


 はじめは渡り合っていたが、徐々に押されて行き実体剣は折られてしまう。そして、白虎が宿った斬撃が無慈悲にもレインに浴びせられそうになった瞬間だったーーー






「無事か?! レイン」


 ヴェロニカに背中を向け剣を背中に背負ったまま斬撃を受け止めていた鋼鉄。腰のヒーローベルトの表示にはダブルブースト(二重加速)の文字が浮かんでいる。後ろに飛び距離を取るヴェロニカは焦り出す。



「私の流れ星でも切れない剣だと……?! ありえん!」




 鎧のシステム音)再起動完了。感情ドライブ起動。各種ブースト動作安定。


「鎧が再起動したのですね、マスター。良かった」


「ああ。だが恐らく次に来るのは……」


「奥義……でしょうか、マスター」


「そうだ。星のチカラの継承者ならばこの奥義でわかるはずだ」



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