雪月花のグラス 玲瓏な華との奇譚

水無月さつき

第1話 プロローグ

北の雪が降り続く大陸ネージュの村グラシエの森奥にひっそりと暮らす魔法使いのエルフが居た。彼の名前はグラス。

凍り付きそうな程の白い髪・翡翠のような瞳をした短身の青年だ。

彼の同族は、絶滅したのか過去300年誰も見た者はいない。

そして、彼がいつの時代から住んでいるのかも、また、誰も知らなかった。

そう……この世界の始まりから存在したと言われている魔王でさえ


「はぁ、今日も変わらず白い世界だなぁ。全く、俺の美しい家が氷漬けだよ。ショッフェ!」


グラスが、一言唱えると家の上にお湯が現れる。

そのお湯が家に落ちていく中、何かが落ちた。


ドカーン ガシャーン カラカラ……


大砲の砲弾が、着弾したかと思うような凄まじい音だった。


「俺の家がぁ……もう無理だ。おしまいだ……」




ーーーーーーーーーー完ーーーーーーーーーーー


主人公の心が折れた為、これにて連載が終了になります。今までありがとうございました。



「じゃねーよ!まだ、始まってないんだよ!!」



主人公に怒鳴られたので、話を続けて行きたいなと思います。


えーっと……では、気を取り直しまして……



「俺の家がぁ……もう無理だ。おしまいだ……」


呆然と雪の上に膝をつき、潰れた我が家を見つめている。


「アイタタタ……痛かった〜」


薄い紫の髪とうさぎのような赤い瞳が雪に映える。背は、俺よりも高い……160cm位だろうか?


「綺麗だぁ」


家が壊れた事を忘れ、思わず呟いていた。

( ゚д゚)ハッ!


「おい!お前は、誰だ!!てめぇ……俺の家をなんて事に!!」


「いやぁ、ごめんごめん!ぐるぐる見回りしてたら、風に煽られちゃって〜 レジュレクシオン」


謎の女が魔法を唱えると、淡い光に包まれ壊れた部分がみるみるうちに直っていく。魔法は、魔力や魔力操作、ものの原理や仕組みを理解していないと使えない。一般魔法は、それだけで使用できるが、回復・再生魔法は、天上より才を与えられた者しか使用することができない。それをこの女は……一体、何者だ??


「直してもらって、助かったよ」


「こちらこそ、本当にごめんね」


「俺は、グラスだよ。君は?」


「えーっと……私に名前はないの」


「ふ~ん……まぁ。いいや」


この女と関わることは、もう無いだろ。だから、別に無理に聞き出さなくても大丈夫だろ。悪意も感じられないことだし。


「いいの?!私ほどの、美人の名前を聞いておかなくて??」


「だって、面倒くさいじゃん!もう会う事ないしし。面倒くさいし」


「面倒くさいって2回言った!!もういい!!」


そう言うと、起こりながら女は村の方へ歩いて行った。この……吹雪の中。

そして吹雪きが止み、ゆるりと雪の花が舞う中、村へ買出しに行く途中、その女は雪に埋まっていた。


「おい……大丈夫か……?」

こうして、物語がゆっくりと進んでいく事となる。


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