彼女に好きな人が出来たからと別れたが、どうやらその好きな人は俺の事らしい?
nayaminotake
HSC の秘密
第1話 HSC(ハイスペックカップル)織田 信一の秘密
信一「なぁ、俺達なんでこんな遠回りしたんだろ・・・」
愛「想いは永遠でも不偏でもない、人が成長する様に気持ちも成長するって事だよ」
信一「大人びて言ってるが、変わって欲しい事と変わって欲しくない事は人に依って違うよ」
愛「そうだね・・・だから私達はすれ違った」
信一「そうだな、すれ違いは必然だった・・そう今なら思えるよ・・」
愛「ええ、すべて事実が繋がった今なら・・」
都内の公立高校、大和高等学校
偏差値は都内でも上位に入るが、スポーツにも力を入れてる公立高校で全国を狙えるレベルの部活動も存在する、まさに文武両道な学校だ
そして今在籍している2年生には学校内外でも有名なカップルが存在している
瀬川 愛(せがわ あい)・・・身長は165センチと高身長、長い黒髪と長いまつ毛と大きくいつも潤んだ輝きを放つ瞳、スタイルはモデル並みで足も長く街を歩けばスカウトが何人も声を掛けてくる
その上、学力は学年で1,2位を争うレベル、中学まで美術部に所属していて何度か都内のコンクールで入選して賞をとるほどの才能の持ち主でその上、運動神経も抜群
性格も温厚で、誰でも分け隔てなく接し人の悩みにも真摯に向き合ってくれるので男女共に絶大な人気を誇る、まさに完璧女子高校生
もう一人が
織田 信一(おだ しんいち)・・・身長は183センチとこちらも高身長、少しパーマの掛かった茶色の髪を後ろに流していて切れ長の目は人を引き付ける輝きを放つ、スタイルは細身だが意外と筋肉質で足も長く街を歩けばスカウトが何人も声を掛けてくる
その上、学力は学年で1,2位を争うレベル、中学まで野球部に所属していてポジションはピッチャー、ジュニアの世界選抜強化選手にも選ばれるほどの才能の持ち主で、そのうえ芸術にも造詣があり精通している
性格は人当たりが良く、困ってる人を放って置けない為、何度か年寄りとか子供を助けたと警察から学校を通じて表彰されている、男女共に絶大な人気を誇る、まさに完璧男子高校生
こんなスペシャルな二人なのに何故かラブレター一通も貰った事がない、その上告白もされた事もない
何故か・・・・
「信一~今日もお迎えがきてるぞ~」
「ああ、わかったそれじゃぁ、皆、また明日」
そう言うと、いままで俺の席の周りで話し込んでいた数名のクラスメートに挨拶し荷物を持ち入口のドアを出て左右を確認すると右側に彼女が立って待っていた
「お待たせ、それじゃ帰ろうか」
「ええ、帰りましょう」
俺は荷物を肩にかけて、彼女はスカートのまえで両手で荷物を持っている・・・並んで廊下を歩いてると皆が廊下の端に避けて行く
「あ、みんなまた明日」「また明日ね」会釈して挨拶してくれる人全員に爽やかな笑顔で挨拶する二人・・
「今日も尊いわぁぁ♡」「素敵ぃぃ我が校のナンバーワンカップル~」「HSC(ハイスペックカップル)のお帰りだ!?」
「「・・・・・・」」そんなギャラリーの声を背に下駄箱で靴を履き替えると
「行こうか・・・愛」
「そうね帰りましょう・・・信一」
俺達は恋人か友達か微妙な距離感で学校の門を出るまで、校内と同じ様に羨望の眼差しと恍惚の表情で挨拶されてその都度、笑顔で挨拶を返す
そう俺達 織田 信一と瀬川 愛は恋人同士なのだ
しかも、家が隣同士で所謂、幼馴染同士カップル小学生の頃から夫婦だと揶揄われ、中学生になるといつの間にか恋人同士になっていた家族も友人も俺達が恋人になっても驚きもしないし逆に「え?今までずっとそうだと思っていた」と愛の両親にも俺の両親にも言われてしまう
自分達で言うのもどうかと思うが、客観的に見ても俺達の容姿は整っていて俺達の間に割って入って来る様なチャレンジャーは居なかった・・はずだった
「・・・学校での俺達の扱い・・いい加減なんとかならないかな・・」
俺は少し空を見上げて呟く
「そうね・・・」愛の方はというとスマホを弄りながら答える
「・・・・・」そんな様子にも気にならなくなっていた俺・・いや俺達は所謂【倦怠期】という奴なのか二人で居ても会話は殆ど続かない
無言のままの帰路
「今日はどうするの?」
住宅街の十字路で相変わらずスマホを弄りながら話しかかる恋人に
「別にいいや」
空を見上げて答える俺
「そう、それじゃまた明日」
そう言い残すと左に曲がり【瀬川】と書かれた表札の家のドアをあけると此方を見る事も無く家に消えて行った、おれも直ぐ隣の【織田】の表札の家のドアを開けると靴を脱ぎ手を洗ってから自分の部屋へ向かう
「はぁ――――ようやく会えるなぁ」
俺はネクタイを引き抜きベッドに放り投げると、PCの電源を入れてアイコンをクリックする、起動してる間に手早くシャツとスラックスを脱ぎ部屋着に着替えると
【エターナル キングダム】というゲームをスタートさせる
PCの画面には沢山のアイコンが散らばっていてメインの画面にはイケメンの茶髪の人間の男が立っていた
【ピコンッ : ラブがログインしました】
右上にお知らせメッセージが流れる、俺は自然と頬が緩む・・急いでキャラクターを移動させて目的の場所に移動すると、そこには癖のあるパーマで金色の髪をした細身の美しい女性・・いわゆるファンタジーでお約束のエルフという妖精の女性が待っていた
手慣れた手つきでキーボードを操作し直ぐにパーティー申請を送ると、一瞬で承認されて二人のアイコンが画面に表示される
『俺も今来た所だよラブ(^^)ただいま!』
『私も今来た所!お帰りノブー』
『俺達もこうして結婚してもう2年だねー』
『うん( *´艸`)私もノブ―が旦那さんで凄く幸せ!』
『俺もラブが奥さんで凄く幸せ!』
そう・・・俺はネットゲーム内に恋人どころか、ゲーム内で結婚して奥さんがいるのだ・・
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます