桜の木の下で
おひるね。
プロローグ
「あなたもずいぶん大きくなったわね」
腰を少し曲げたおばあさんが桜の下で小さな男の子に話しかけている。なんだか声をかけないとダメな気がしてっていうか、むずむずして
「あ、あの!2人は何してるの。」
と大きな声で尋ねてしまった。
2人は顔を見合わせて少し驚き、おばあさんが口を開いた。
「この男の子が見えているの、本当に?」
私が慌てて頷くと、おばあさんはゆっくりとしゃがんで目を合わせてくれた。そして不思議そうに見つめる私に優しくこう言ったのだ。
「私、桜の木のせいで恋することができなかったのよ。だからこの木を私が死んだ後、誰に守ってもらおうか悩んでいたんだけどお願いできるかしら。」と。
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