「ディストピア」でオレが救世主!?
ミケネコ ミイミ♪
いきなり砂漠のど真ん中
「グヘェ……あぢぃ……」
オレは、ひたすら砂漠を彷徨い歩いている。なんでこうなったかというと、それは数日前のことだ……――――
☆彡☆彡☆彡
――――……ここはさっきとは違う世界のオレの部屋だ。この世界でのオレは、三十二歳にも拘らず無職で彼女もいなく家で引きこもり自由気ままに過ごしていた。
因みにストレスにより体調を崩して一年前に仕事を辞めている。
オレの名前? ああ、
「ヨッシャァァーー!! ラスボス倒した。あとは裏ボスを倒すだけだ。……てか……ふあぁぁ〜……眠い…………」
なぜか眠気に襲われ、ウトウトし始める。
「なんなんだ? この眠気……駄目だ……我慢できない…………」
我慢できずに、そのままうつ伏せになり寝てしまった。
☆彡☆彡☆彡
――オレは暑さで目覚め、キョロキョロしながら立ち上がる。
「ここはどこだ? 夢? いや違う。どうみたって現実だよな」
辺り一帯が砂漠で何もない。
「確か……部屋でゲームをしてて眠った。そんで目を覚ましたら、こんなとこに……」
そう考えたが、ここにいても仕方ないと思い村か街を探すため歩き出した。
一歩、二歩と歩き出す。だが暑さのせいで全身汗だくになり、ふらつき座り込んだ。
「グファー……暑い~」
そもそも、いつも部屋に閉じこもりゲーム、本、動画などをみていて運動していない。それなのに、この暑さに耐えられるわけがなかった。
「いったい、なんなんだ。そもそも……」
そもそも、なんでこんな所にいるのか。ここは、どこなんだと再び脳裏を過る。その時……オレの周りが発光し魔法陣が描かれた。
「魔法陣……って!?」
オレは驚き思わず両手を上げる。
「まさか、ここって異世界なのか?」
改めて周囲を見渡した。そういえば、こんな場所は現代にないよなと思う。
魔法陣が展開し終えると、さっきよりも激しく光る。その眩しさに目を開けていられず瞼を閉じた。
「ウワアァァアアアー……何もみえねえぇぇえええ~!!」
☆彡☆彡☆彡
光が消えたことに気づき目を開けてみる。するとオレは白い空間の中にいた。
「ここって?」
明らかに、さっきと違う場所だ。ここは、どこなのかとキョロキョロする。すると眼前にウェーブがかった緑色の長い髪の綺麗な女性が立っていた。
「これは……本当に……失礼しました」
そう言い、なぜかひたすら謝っている。
「なんで謝るんだ?」
「はい……えっと……それは……」
なぜかオレと目を合わそうとしない。
「それにアンタは誰なんだ?」
「私は……えっと……女神……シャルデネオ……です」
その女神は、ゆっくりと自己紹介している。……って、女神も人見しりするんかいっ!? と危うく、ツッコミを入れそうになった。
「オレは磐城翔だ。それで、なんで謝る?」
「あっ、はい。実は……私が……貴方を……召喚したの……ですが。間違って……直接……現地に……召喚してしまいました。本当に……申し訳ありませんっ!!」
女神シャルデネオは、ペコペコと頭を下げる。
「あー、そういう事か。まあ、それはいいけど……召喚って?」
「ありがとうございます。翔、貴方を……召喚した理由を……今から……説明します」
そう言うと説明し始めた。
シャルデネオの説明だと、この世界はリバルサイドと云うらしい。そして戦争や疫病などで殆どの種族が滅んだ。
だから残っている一部の生き残りを助け世界の滅亡を阻止するため、オレを召喚した。
「……そうだとして、なんでオレなんだ?」
「それは……こういう事に……適している。他の世界の者が……貴方だけ……だったから……」
そう言いながらも、オレから目を逸らしている。
(流石に面倒だから適当に選んだとは言えませんし……)
シャルデネオはオドオドしててハッキリ言わないしなぁ。そもそも、どこまでが本当のことなんだ?
だけど、さっきの砂漠化は尋常じゃない。そうなると……そうだな、ここは信じてみるかと思い、シャルデネオをみる。
「分かった。どこまでやれるか分からないが、この世界を救うと誓うっ!!」
「ああ……ありがとう……ございます。では……早速……ですが。世界を……救うための……能力を……授け……たいと……思います」
シャルデネオは両手をオレに向け聞き慣れない言葉を発し始めた。すると、オレの体全体が発光する。
「ウギャアー、いでぇぇ〜……」
それと同時に全身に激しい痛みが襲い、のた打ち回る。その後、しばらくして痛みが治った。
「ハァハァ、オレに何をした?」
息を切らしながら鋭い眼光で女神を睨んだ。
「はい……若返って……頂きました。それと……能力も……付与しておきましたので……確認……してくださいね」
「若返った!? それに能力……って……」
そう言われ確認してみる。しかし確認の仕方が分からないことに気づいた。
「悪い……どうやって確認するんだ?」
「ああ……そうでした。左手の甲を……目の前に……翳してください」
それを聞き左手をかざしてみる。するとステータス画面が現れた。そこには……――
【名前:カケル・バンジョウ 年齢:18歳 職業:特異的な料理人 特殊能力:造形 HP:50000 MP:200 攻撃力:1000 防御力:1000 素早さ:100 魅力:50 ペット:無し】
――……これがステータス画面。にしても、ペット無しって……まぁいいか。
それよりも名前がカタカナで職業が特異的な料理人って……特殊能力が造形だから物作りスキルか?
あれこれ考えながらステータス画面をみていたが、ある場所で目線を止める。その後、なぜ年齢が若返っているのか気になり聞いた。
「おいっ、なんでオレの歳が十八になってる?」
「そのことは……ですね。さっきも……言いましたけど……これから……大変だと思うので……若返って……頂きました」
「なるほど、そういう事か。まぁオレ的にも、その方がいい。それと特殊能力と職業について聞きたい」
そう問いかけるとシャルデネオは、そのことについて詳しく教えてくれた。
「造形はそう使うのか。で、特異な料理人に関しては分からない。……まぁ色々と、ツッコミたいが。今は辞めておく。それはそうと、このあと街に転送してくれるんだよな?」
「はい……では……そろそろ……転送させます。くれぐれも……世界を……破壊……しないで……くださいね」
それを聞き、それを言うなら『救ってください』だろうとツッコミを入れそうになるも面倒なので言うのをやめる。
その後シャルデネオは、オレのことを異世界リバルサイドに転移させた……――――
☆彡☆彡☆彡
――――……そして現在に戻り、オレはなぜか街ではなく砂漠をひたすら歩いている。
そう、あの時シャルデネオは街ではなく砂漠のど真ん中に転移させたのだ。
まぁ造形スキルのおかげで砂漠の砂から食べ物や飲み物を作れるから良しとしないとな。ただ一日五回までって制限があるのはつらいけど仕方ないか。
そう思い街を探しひたすら歩き続けるのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます