人形
「僕の声、聴こえる?」
少年は人形に話し掛ける。
「ねぇ」
「ダメだ。聴こえてない……お母さん、この子は周りの音が聴こえないの?」
少年が、そばに居た彼の母に問う。
「そうだよ」
「いつまで?」
「……死ぬまでずぅっと」
「この子は目も見えないの?」
「うん。そうだよ」
「……死ぬまで?」
「うん」
「喋れる?」
「喋ることもできない」
「へぇ」
そして少年は、目の前に置いてある人形をじっと見つめた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます