第4話ライブ前
待ち合わせ場所に着くと、後輩はすでに待っており「IDOL」と大きく書かれたストレートなシャツを着て、大きなリュックを背負っていた。リュックにはローマ字で豆柴の大群と書かれた同じ形をした4本の棒が括りつけられぶら下がっていた。
後輩「先輩おはまっす!」
私「おはよう。お前なんかスゴイな」
後輩「当たり前っすよ。ライブですよ、ライブ!この日の為に仕事頑張ってるんすから」
私「お、おう。でも何ていうか恥ずかしくないか」
後輩「何言ってるんですか!楽しむことに恥ずかしいなんてないですよ先輩」
後輩「それに周りを見てくださいよ」
後輩の言葉を聞いて周りを見ると、アイドルの顔が大きく書かれたシャツ、でかでかとアイドルの名前が書かれた法被、全身ピンクの服装等、まさに全力の人達でいっぱいになっていることに気づいた。
私「な、なんだこれは」
後輩「すごいでしょう。みんな全力で推しのアイドルを推しに来てるんです。だから恥ずかしいなんてないんです!」
私「お、おう」
後輩「それから、先輩。サンダルはないですよ。ライブはコンビニじゃないんですから。」
私「サンダル駄目なの」
後輩「足、踏まれますよ。密集したライブ会場でみんなそれぞれ迷惑にならないように楽しむのに。サンダルの人が横にいたら踏まないか気にしてライブに集中できないですよ。まぁ、今日はスタンディングじゃなくて指定席だからないとは思いますけど」
私「なんか、すみません」
後輩「さぁ、気を取り直して楽しみましょう先輩!」
こうして、私は初めてのライブに向かうのであった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます