散策

学力検査が終わり、冬と稲は合宿施設の周囲をのんびりと散策していた。空は青く澄み渡り、風が心地よく吹いていた。森の緑が深く、まるで時間がゆっくり流れているかのような落ち着いた雰囲気が漂っている。


冬が歩きながらふと口を開いた。


「学力検査、どうだった?」


稲は少し考えた後、軽く肩をすくめた。


「普通かな。特に変わったこともなかったし。」


冬は少し安心したように笑い、続けた。


「そっかー。私は基本問題は得意だけど、一つ引っ掛け問題があって、ちょっと時間使っちゃった。」


稲は頷きながら、少し苦笑いを浮かべた。


「その引っ掛け問題は、力技の計算じゃ対応できなかったかもね。」


冬は共感しながら、ため息をついた。


「うん、そう思う。計算のルートが迷路みたいで、なんかちょっと疲れた。」


稲は冬の肩を軽く叩き、励ますように言った。


「でも、いいんじゃない?気晴らしにもなるし。」


冬も笑顔で頷いた。


「そうだね。ここでのんびりするのも、良いリフレッシュになるかもね。」


二人は施設の静かな環境に包まれながら、さらに散策を続けた。周囲の自然と平穏な時間が、彼女たちの心を落ち着けていた。

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